meaw222のブログ

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映画・ドラマの部屋

 

今日は、夏至の日となります。

この日は、春分の日を黄経0°とすると夏至の日は、黄経90°となります。

 

 近日点と遠日点

地球は、太陽を中心として楕円形で回っており、7月5日が太陽から最も遠い軌道上(1億5120万km)にあり、一年の内で最も太陽が小さく見える日となります。因みに、近日点は、1月3日で距離は1億4710万kmとなり、遠日点との差は、410万kmとなります。

 

 

更に複雑な事に、地球が、太陽を中心とした楕円軌道ですので、円の中心がずれるために、春分から夏至(黄経90°)までが、93日間。一方、秋分から冬至(黄経90°)が、89.5日と同じ角度になるのに要する日数が、3.5日ずれます。その為、夏至は遠日点より14日前、冬至は近日点より12.25日前となります。(日数差の半分、3.5日÷2=1.75日)

 

しかし、この地球の公転軌道も周期(離心率の周期)があり、約21000年ほどかけて動いており、約1万年すると夏至の頃に近日点が来ることになるそうです。実際に13世紀には近日点が冬至のあたりにあり、それを元にした中国の古来の宣明暦や授時暦を後の江戸時代に参考にしていたときには、すでに近日点は冬至から6度ほどずれていたそうです。

 

 北回帰線・南回帰線

上の説明は、太陽を中心として考えた場合であり、これだと非常に分かりにくい為に、地球を中心にして考えて観ると以下の通りとなります。

 

 

春分・秋分の日には、赤道上空を太陽が移動します。冬至の日には、南回帰線(南緯23.26°)を。そして今日(夏至)には、北回帰線(北緯23.26°)上を通ることになります。

 

更に、地上からの太陽の動きを図示すると以下の通りとなります。

 

上の図を見ると、夏至と春分・秋分そして冬至の太陽の動き及び日の出から日の入りまでの位置と時間の長短が良く分かると思います。

 

今日の夏至の日は、南中高度(太陽の一番高い位置)が角度が最も大きくなります。そして、日の出の位置が、卯酉線(ぼうゆうせん/緯線)から23.26°北より(東東北)となり、日の入りも同じく23.26°北寄りの位置(西西北)へとなります。

 

 日本各地の夏至の日の出と日の入り時刻

・札幌(北海道):15時間23分 日の出03:55 日の入19:18
・東京(東京都):14時間34分 日の出04:26 日の入19:00
・大阪(大阪府):14時間30分 日の出04:45 日の入19:15
・那覇(沖縄県):13時間47分 日の出05:38 日の入19:25

 

南北を比べると、札幌は沖縄よりも1時間36分長く、驚くことに、札幌では、日の出がなんと午前4時よりも早いという事です。私も、夏に北海道に転勤した時に、目が覚めると外が異様に明るかったので、寝坊をしたと思い飛び起きてしまいましたが、時計を見て午前4時過ぎであったことに驚いたのを覚えています。

 

この様に、今日は、冬至に比べると5時間以上も夜が短いのですが、清少納言の「枕草子」に

 

夏は夜。月のころはさらなり、闇もなほ、蛍の多く飛びちがいたる。また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光て行くも、をかし。雨など降るも、をかし

 

清少納言は、短い夜を「はかなきもの」として捉え、そこに趣を感じていたのではと思います。

 

 夏至と祭り

欧米各国では、この夏至の日に大きな祭りが行われていますが、日本では、田植えの時期でもあり忙しいのか、あまりこの夏至と祭りは結びついていません。

 

数少ない祭りの中で特に有名なのが、三重県の二見興玉神社の「夏至祭」、香川県の小豆島霊場一番札所 洞雲山の「夏至観音」です。

 

 

寄り添うように浜に位置する「夫婦岩」が有名な三重県の「二見興玉神社」(三重県伊勢市二見町江)の「夏至祭」では、夏至の日の出の時間に海に入り、「夫婦岩」の間に昇る太陽を浴びながら、幸せや健康を願って海の水で身を洗い清める禊(みそぎ)を行います。

 

香川県の小豆島霊場一番札所 洞雲山の「夏至観音」では、夏至を挟んだ50日間、錫杖(しゃくじょう)をもった観音様の光の像をみることができます。

 

 

この光の観音像をみることができるのは、晴れた日の午後3時ごろの3分~5分にかけてだそうで、光が下から伸びていく様は、感動するそうです。

 

 

 レイライン

この夏至に関連することに、レイラインがあります。

 

レイラインとは、直線的に結ぶように建造された古代遺跡群が描く直線のことで、1921年にイギリス人のアマチュア考古学者、アルフレッド・ワトキンス氏が「The old straight track(古い直線路)」の中で提唱したのが始まりだそうです。

 

日本で有名なレイラインとしては、下の図の北緯34°27′23″の「伊弉諾神宮を中心とした太陽の運行図」

 

その他にも、北緯34度32分の緯度線である「太陽の道」。

太陽の道は、1973年に古代美術を専門とした写真家、小川光三氏によって「大和の原像」の中で提唱されました。

北緯34度32分の緯度線上には、斎宮、春日宮天皇妃陵、天神山頂、国津神社、箸墓、須賀神社、日大御神社、稲荷社などがあり、そのほとんどが天照大神に関係のある寺社・霊山となっています。

 

また、日本には五芒星を描くレイラインも存在します。

五芒星とは、災厄から身を守り、心身を清浄に保つ印で、陰陽師の安倍晴明によって作成、使用したとされています。

表の近畿地方にある神社・霊山を直線で結ぶと、五芒星が浮かび上がり、その中心には平城京が位置します。創建された年が、いずれも平城京が遷都される710年より前であることから、陰陽道において守護の強い場所を選んで平城京を遷都したことが伺えます。

 

最期は、すこし脱線して、雑誌「ムー」のような内容となりましたが、日本全土には各種の霊山や神社が存在しており、どの様なレイラインも作成可能です。従って、科学的な物と言うよりは、辻褄合わせでロマンを追い求めるものだと認識しています。

 

冬至の「南瓜」に比べて、夏至は、統一された食べ物はないのですが、地方により「無花果(イチジク)」「うどん」「冬瓜(とうがん)」。

 

関東では、夏至から半夏生(夏至から数えて11日目)までに田植えを終わらせないと豊作にならないという言い伝えがあり、稲の豊作を願ってその頃に収穫した小麦ともち米を混ぜて焼いたお餅を食べる風習があります。

 

また、関西では、植えた稲の根がタコの8本の足のようによく伸びて大地に根付くのを願い「蛸」を食べるそうです。

 

この夏至の頃、平安時代の宮中の人々は、氷を食べて暑さをしのいでいたといわれています。氷は当時高級品として扱われていたため、庶民には手が届かないものでした。その為に、氷の代用品として和菓子「水無月」が登場し愛されてきました。和菓子「水無月」は氷を模して作られ、白いういろうの部分は氷をイメージして三角の形にし、上に乗っている小豆の赤色には、邪気払いの意味が込められています。

 

以上、

 

昔から夏至の時期は、健康や稲の豊作の願いが込められた風習が生活に取り入れられており、「故きを温ねて新しきを知る」ではないのですが、暑くなり始める夏至の時期に、これら健康維持の願いが込められた食べ物や風習を楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

 

 

どうも、この「歳時記」シリーズは、書いていても「字余り」というか「言葉足らず」になる傾向にあります。反省を込めて、次回はもっと読みやすいブログにしようと思います。