ソウル南大門火災で容疑者逮捕 | 肉団子閑居為不善

ソウル南大門火災で容疑者逮捕

ソウルの南大門が、不審火であっという間に全焼した。不審な男が南大門に入るのを目撃されており、放火と考えられていたが、このたび京畿道江華島で容疑者が逮捕された。

CNN記事 によると容疑者は蔡と名乗る69歳の男性(朝鮮日報 によると70歳)で自宅からは放火に用いたと考えられるシンナーや、目撃されたと同じ衣服がみつかるなどしているという。産經新聞 他のメディアでは既に自供したと報じられており、京畿道高陽市一山地区に保有していた土地の補償金問題が解決せず土地を売却できずにいて社会的関心を引くため放火したとの手紙がみつかったとのことで、土地がらみのトラブルによるものというが、それがどこでどのように南大門とつながるのかは不明だ。

韓国は朝鮮戦争の戦火もあり、古い建造物があまり残っていない。その中で600年の歴史を誇る木造建築の南大門は国宝第一号にも指定され、ソウルのシンボル的存在だっただけに韓国社会の衝撃は大きく、警察など当局への批判は激しかった 。その中でのスピード逮捕だったが、以前にも同様の土地の保証問題がらみで、やはりソウル市内にある歴史的建造物の昌慶宮文政殿へ放火した全科があるということもあり、本物の容疑者である可能性は高そうだ。

しかし、官のやりくちに怒りを向けるまではいいが、なぜそれが文化財放火になるのか?謎は深まるばかりだ。

日本では文化財への火災報知器の設置は義務づけられているが、文化財への放火や小さな破壊は後をたたない。南大門焼失に触発された人物が放火を働かないとは言えない。ちなみに、少しすぎてしまったが1月26日は法隆寺金堂が焼失した日で文化財防火デー に定められている。木造文化財は燃えればすぐに失われてしまう。当局や文化財の所有者にはぜひ防火に注意をはらってほしいものだ。