小学5年生の甥っ子が国語の本を音読していた
すっかり聞き入ってしまって・・・気がついたら 頬にさぁ~っとつたう物が・・・。
「このお話を聞いて泣くのあー君(私)位だよ。他のお母さん達泣かないもん」
「違うよ!!甥っ子 皆ママ達だっていいお話だと思っているよただ、忙しくて感想も言えて無いだけだよ。」
是非小学5年生のお子様がいらっしゃる方は、是非読んでみてください心が温かくなります。
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<あらすじ>
雪国で3世代いっしょに暮らしているある家族の家にて。
雪がしんしんと降っているある夜、マサエは、おばあちゃんといっしょにこたつに当たりながら、本を読んでいました。明日、学校でスキーがあるのに、使ったばかりのスキー靴はびしょびしょです。明日までに乾かなかったら嫌だなあ、というマサエに、おばあちゃんが「かわかんかったら、わらぐつはいていきない」と言います。
マサエが「やだあ、わらぐつなんて、みったぐない(みっともない)」と言うと、
おばあちゃんが、「そういったもんでもないさ。わらぐつはいいもんだ。あったかいし、軽いし、すべらんし。それに、わらぐつの中には神様がいなさるでね」と、わらぐつの中に神様がいる話を始めました。
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昔、この近くの村におみつさんという働き者の娘さんが住んでいました。彼女がある秋の朝、朝市へ野菜を売りに行く途中、げた屋さんの前でかわいらしい雪げたを見かけ、欲してたまらなくなりました。でも、お小遣いで買えるほどの値段ではありません。家に帰って両親に頼みましたが、小さい弟、妹達も欲しいと言い出し、自分のねだりごとどころではありませんでした。
そこで、自分で働いてお金を作ることを思い立ちます。そして、わらぐつを編んで、それを売ってお金を貯めようと思いました。いつもお父さんがわらぐつを編んでいるのを見ているので、自分もできるだろう、と思ったのです。
おみつさんは、一生懸命、心をこめてわらぐつを編みました。できあがったわらぐつは、、というと、上から下まですき間なくきっちりと編みこまれてはいるものの、左右の大きさも違うし、変な格好です。家族からも「そんないかしなわらぐつが、売れるかいなあ?」と笑ったり心配されたりしましたが、朝市の日、おみつさんは元気に市場に出て行きました。
野菜のはしっこにわらぐつを置き、「わらぐつはどうですね。」と勧めてはみるのですが、なかなか売れません。それどころか、「へえ、それ、わらぐつかね。おらまた、わらまんじゅうかと思った。」と言う口の悪い人もおり、「やっぱり、わたしが作ったんじゃだめなのかなあ。」とがっかりしてきました。
あきらめてもう帰ろうかと思っていると、そこへ、ひとりの若い大工さんが来て、そのわらぐつを見せてくれ、と言います。「あんまり、みっともよくねえわらぐつで・・」とおみつさんが言うと、大工さんはわらぐつをしばらく眺めてから、今度はおみつさんの顔を見つめ、「よし、もらっとこう。」と言ってそのわらぐつを買ってくれました。おみつさんは嬉しくて嬉しくて、その大工さんをおがみたいような気がしました。
次にわらぐつを編んで市場に行くと、またその大工さんがやってきて買ってくれるのです。そんなことが何度か続き、おみつさんは不思議に思って大工さんにこう尋ねました。
「おらの作ったわらぐつ、もしかしたら、すぐいたんだりして、それで、しょっちゅう買ってくんなるんじゃないんですか。」
すると、
「ああ、そりゃ、じょうぶでいいわらぐつだから、仕事場の仲間や、近所の人たちの分も買ってやったんだよ 」
と大工さん。そして、
「いい仕事ってのは、見かけで決まるもんじゃない。使う人の身になって、使いやすく、じょうぶで長持ちするように作るのが、ほんとのいい仕事ってもんだ。」
それから大工さんは、いきなりしゃがみこんで、おみつさんの顔を見つめながら、
「なあ、おれのうちへ来てくんないか。そしていつまでもうちにいて、おれにわらぐつを作ってくんないかな。」
おみつさんは、ぽかんとして、大工さんの顔を見て、しばらくして、それが、おみつさんにおよめに来てくれということなんだと気がつくと、おみつさんの白いほおが夕焼けのように赤くなりました。
「使う人の身になって、心をこめて作ったものには、神様が入っているのと同じこんだ。それを作った人も、神様とおんなじだ。おまんが来てくれたら、神様みたいに大事にするつもりだよ。」
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ってね。どうだい、いい話だろ。」とおばあちゃん。そして、マサエは、そのおみつさんというのが、実は、おばあちゃんのことだということに気づきました。その大工さんは、おじいちゃんだったのです!
「この家におよめに来ると、すぐ、おじいちゃんが買ってくれたんだよ。」と言っておばあちゃんは、大切にしまってあった雪ゲタを見せてくれました。マサエはそれを見てこう言いました。
「おじいちゃんがおばあちゃんのために、せっせと働いて買ってくれたんだから、この雪げたの中にも神様がいるかもしれないね」
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