ペテロの葬列(上)
funeral parade of St.Peter
宮部みゆき
(文春文庫)
【78点】

面白い。宮部みゆき作品って今まであまり読んできてなかったけど、ここ最近読んだのはどれも安定して面白いです。そしてこれ杉村三郎シリーズの最新作なんだね。知らなかったです。でもこれからでも全然楽しめました。
こーいうものってどこからがネタバレになるのかわからないから、ストーリーとかも詳しくは後述するとして、とりあえず杉村三郎がバスジャック事件に巻き込まれて、それを発端に生まれた謎を解いていくというような話でした。
とりあえずものすごい下巻が気になる展開です。面白かったです。
【妄想キャスティング】
妄想キャスティングなんだけど、読んでる途中にドラマ化してることを知り、その上主人公が小泉孝太郎と知り、まさにドンピシャだなと思ったので、杉村三郎は小泉孝太郎のイメージで読みました。
犯人の初老の男性とかなんか知り合いのおじいさんのイメージにドンピシャだったんだけど、いざ役者に当てはめると浮かぶ人がイマイチいませんでした。あとなんか顔は浮かぶんだけど名前を知らないみたいな役者のイメージなキャラも多くて多くて、だからけっこーざっくりです。
杉村三郎:小泉孝太郎
今多嘉親(三郎の義父):石橋凌
園田瑛子:大地真央(かなぁ?)
坂本啓:永山絢斗(もっとイメージ合う人いるんだけど、名前が浮かばないからとりあえず)
前野メイ:足立梨花
(ネタバレありかも)
ストーリーとしては、主人公である杉村三郎が巻き込まれた一つのバスジャック事件を起点に生まれた謎を解決していくという感じでした。
バスジャック事件の犯人である佐藤一郎と名乗る初老の男は人質に危害を加えるわけでもなく、圧倒的な話術で人質を掌握していく。その掌握力と言ったらバス内に一種の連帯感すら生まれさせるほどのもの。そして犯人の要求は3人の人間を探してここに連れてこいというもの。しかし、事件は唐突に解決に向かう。警察が突入するとともに犯人が自死してしまい、犯人の動機も目的も何もわからないまま、このバスジャック事件は終わってしまったわけです。
しかし、何事にもあまり動じないような上司の園田が事件の途中、犯人に対して"あなたみたいな人をよく知ってる"と言っていたり、その上、事件後休職をし、そのあとも事件を思い出すと取り乱してしまうということがあったり、犯人の正体も物静かでひとりでアパートに暮らしてるという、杉村が思い描いていた犯人像とはあまりに乖離したもので、杉村と同じように読んでて謎というか違和感をものすごい感じる展開でした。
また、犯人の佐藤一郎は、立てこもり中全員に最大1億の慰謝料を払うと言ってたものの、実際の犯人の生活を知り、その決して裕福ではないどちらかといえば貧乏な暮らしからして、それはただの方便だったんだなと杉村はじめ人質のみんなが思い始めてたそんなころ、突然犯人が言っていた金額よりかは少ないものの、人質のみんなに300万~100万の慰謝料が送られてきて、読んでるこっちもますますよくわからなくなる。
杉村は義父である今多嘉親に話を聞きながら、正体不明の犯人の動機や目的、人物像について調べ始めると。その中で犯人は企業人を啓発する目的で昔流行ったSTというプログラムのトレーナーじゃないかということと、園田が過去にそのような啓発セミナーでトレーナーと合わず自殺未遂したことを知る。
そして、義父に言われたように、お金の件を含めバスジャック事件の全てを奥さんに伝えるところで上巻は終わるというあらすじとしてはそんな感じでした。いやーほんと面白い。
それ以外にも、井出さんのセクハラ問題とか、2年前に杉村が巻き込まれた事件とか、本筋の話と関係ないといえば関係ないのかもしれないけど、もしかしたらこれが伏線になって下巻で効いてくるのかなっていうけどエピソードもあってそれも楽しみです。ほんと下巻も楽しみな作品でした。面白かったです。
(2016.8.27 8:54修正)
