勝負用(もちろん仕事上での「勝負」です)の鞄



カッコいい、は難しい

鞄好きの男性ならご存知かもしれませんが、イタリアのチェレリーニというブランドのブリーフケースです。


薄マチの2室構造で、スーツのときに持つと結構スタイリッシュに見えるかも。。。と一人悦に浸っております。

何より、ブランドロゴが表面に一切ないのが気に入ってます。


普段はどうしても持ち手が2本でファスナータイプの鞄や、軽くて雨でも気にならないナイロンブリーフを使いがちなんですが、クライアントとの契約だとか重要なプレゼンのときは自然とこの鞄を選んでいます。


まあ、黒のストレートチップを履いたときと同様、この鞄を持つことで背筋が少しピンと伸びるような気持ちのする鞄です。



使い勝手は・・・


残念ながら決していいとは言えません。

使い勝手の面だけでの対費用効果は最悪と言っていいでしょうね。


薄いので収納力はないし、型押しなのにキズはつきやすいし、何より重いし。。。


私は、ポケットが膨らむのがイヤで、ハンカチとボールペン以外の荷物はすべて(携帯も財布も名刺入れも手帳も)鞄の中に入れてしまいます。

そうすると、種類なんてごくわずかしか収納できません。

厚めのファイルやノートPCなんてとんでもない!って感じです。


要するに、こういった鞄は「自分であれだこれだと書類やパンフを持ち歩かなくてはいけない営業マンが日常で使う鞄ではない」ってことなんでしょうね。


よく、「人間はいくら出世して偉くなっても、他人に鞄を持たせるようになったらダメ」などと言いますが、まあ政治家や大企業の社長サンが自分でデッカイ鞄を抱えてるのは見たことはありません。

(そういえば、麻生さんは総理になるほどの政治家には珍しく、小脇に書類鞄を抱えておられる姿をよくま見ましたね。)



重い革の鞄というのは、芯などの副素材にもすべてしっかりとした革を使っているからで(安い鞄の多くは、表面は革でも芯には合皮や合成繊維、下手すると厚紙でできているそうです。)、高級な革の鞄ほど重いものだそうです。



それにしても、最近はオフィス街や地下鉄の中でサラリーマンを見ていると、持っている鞄ってイロイロですね。


たいていは黒のナイロン製のブリーフケースなんですが、中にはショルダーストラップをつけて肩にかけている方もたくさんいらっしゃいます。

ストラップのせいで、スーツの肩は崩れて襟は抜けてしまって・・・とどう見ても仕事のできそうな感じには見えませんね。(まあ、両手が空いて便利なんでしょうが、スパイじゃあるまいし、「いざという時のために両手を常に空けておく」という必然性は理解できませんが)


意外に多いのが、文房具屋で売ってるようなプラスチック製の書類ケース。

就活の学生じゃあるまいし、貧相に見えるだけなのでやめたほうがいいように思いますが。



スーツにトートバッグの人。

アパレル系や代理店などのクリエイティブ系に多そうなイメージですが、弁当を持って歩くOLのオネエさんじゃあるまいし。

男性のトート系はカジュアルのときだけにした方が無難なような気がします。


あと、若い方に多いのが、スーツに斜めがけショルダー。

少年っぽさを演出しているのか、単に学生気分が抜けないのかは知りませんが、スーツがくしゃくしゃになる以外の演出効果はないように思います。

ま、こういうヤツに限って真冬はスーツの上にピーコートとかダッフルコート、パーカー付きのナイロンコートを羽織ってたりするんですけどね。




ポケットチーフって挿しますか?


カッコいい、は難しい-ポケットチーフ


日本では、まだまだ挿す人が少ないポケットチーフ。


私の周りでも、「なんか、気恥ずかしい」とか「キザっぽくね?」という声はよく聞きます。


と言いながら、週末のホテルでは結婚式の参列者たちの略礼服の胸には必ずといっていいほどシルクのチーフが挿されています。(中には、「クリスマスケーキの下に敷いてある紙か!」ってツッコミたくなるようなレース地のものも・・・)


たぶん、日本でのチーフは「普段と違ったドレスアップアイテム」という感覚がまだまだ強いのかも。


アットリーニの営業部長で、アットリーニ家の三男坊ジュゼッペ氏はある雑誌のインタビュー記事で

「アットリーニ家の男は夜はチーフを挿しません」と言ってました。

言葉を額面どおりに受け取れば、「チーフはビジネスアイテム」ってことなんでしょうか?


「ジャケットの胸ポケットはチーフを挿すためのものだから、必ずチーフを挿せ」と言ったのはアメリカの紳士服評論家アラン・フラッサー氏だったかどうかは忘れましたが、欧米人と日本人ではチーフそのものの捉え方が違うのはたしかなようです。


よくアメリカ映画などでは、おもむろにチーフを胸から抜き取って靴を拭いたり、下手りゃ鼻をかんだりするシーンはよく見られます。



ビジネススーツの流れがクラシックな路線に行き始めた十数年前から、雑誌などでは「白の麻のチーフをTVホールドで・・・」と提唱され始め、昔のことを思えば市民権を得始めているようには思いますが、オフィス街でも電車の中でも滅多にみかけることはないですね。


最近でこそ、紳士洋品の充実した百貨店だと豊富な色柄を扱い始めていますが、ほんの数年前だと「ポケットチーフは礼装コーナーにごくわずか置いているのみ」って百貨店も珍しくありませんでした。



私も、普段は白の麻のチーフをTVホールド(胸ポケットの上端と並行に2~3cmだけ見せる挿し方)で挿すことが多いですが、ジャケット+パンツの時や、ジャケット・シャツ・タイのバランスで無地が多い時などはシルク地の色柄ものを使います。

たいてい、ネクタイやシャツを買ったときなどに合いそうなチーフも一緒に買ったりしますが、こうしてあらためて手持ちのチーフを見るとペイズリー柄ばっかりですね(=◇=;)


残念ながら、チーフに限ってはいつどこで買ったどこのブランドかはまったくと言っていいほど覚えてません。(一番右端の黄色地はたしか伊勢丹メンズ館だったと思いますが・・・)


白麻なんて軽く7~8枚はあると思います。

これは、毎日スーツを変えるたびにチーフを挿しなおすのが面倒、という単純な理由です。


これまた雑誌記事のパクリで恐縮ですが、ファビオ・ボレッリ氏(ルイジ・ボレッリ社オーナー)とKitonの営業部長だかなんだかという人が来日したときのインタビューでは

「ポケットチーフ?白のものしか考えられないな。スーツには絶対に白の麻。」と語っていた記事を読んだことがあります。(かく言うボレッリも、さまざまな色のシルクのチーフを売ってますが・・・)


一時期、ネクタイとチーフを同じ柄で作ってセットで売る、ってな商売もあったようですが、「英国ではこれを【マッチメイト】と呼んで、田舎者、野暮の代名詞と言われる」そうですね。



色柄のチーフは全体のコーディネイトの足し算引き算が難しいですが、シャツの色やネクタイの配色の中の一色を拾うと合わせやすいと思います。







E808 DOVER


カッコいい、は難しい-E808 DOVER

エドワード・グリーンの定番人気モデルDOVERです。

フラッシュの関係でグレーっぽく写っていますが、実際は黒です。


DOVERといえば、ラスト#32がド定番ですが、これは当時発売されていたトップドロワーラインで、ラストはトップドロワー専用(今は違いますが)の#808です。


本来、僕はスーツには外羽根タイプを合わせるのは好きじゃないんですが、ロングノーズ・セミスクエアトゥの#808ならスーツに合わせても違和感がないかも・・・と思って入手しました。


最近では#202や#82のDOVERも見かけますが、正直なところ、エレガントさの強い#808と、カントリーシューズである外羽根Uチップの組み合わせはイマイチだったかな、という気もします。

やっぱり奇を衒わず素直に#32を買うべきだったかも。


最近の出番は春夏の紺系のコットンスーツのときぐらいになってしまっています。

本来ならジャケット+パンツなんかにもピッタリくるんでしょうが、僕はそういうときはスウェードやブーツを履くことが多いので、#32のDOVERにまで触手が伸びるのはまだまだ先になりそうな予感・・・