御堂筋税理士法人の西口知世です。
本日は、本の紹介をさせていただきます。
『ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか』
ピーター・ティール with ブレイク・マスターズ=著
関 美和=訳
日本語訳序文=瀧本哲史
NHK出版 (2014/9/27)
本屋に立ち寄った際、
奇抜な本のデザインに惹かれたのと、
今話題の書籍とうことで購入しました。
著者のピーター・ティールは、
世界的に有名なオンライン決済サービス「ペイパル」の
共同創業者のひとりとして知られています。
ペイパルがイーベイに買収されて得た資金をもとに、
彼らはさまざまなスタートアップ※を立ち上げ、
また多くのスタートアップの投資家となりました。
※スタートアップとは…
特に新規事業領域を開拓するベンチャー企業のこと
投資先としては下記に挙げるような
爆発的な成長発展を遂げたスタートアップばかりです。
リンクトイン
テスラ
スペースX、
ユーチューブ
イェルプ
ヤマー
フェイスブック
スポティファイ、
エアービー・アンド・ビー
私は投資家ではないし、普通のサラリーマンですが、
「世界を良い方向に大きく変える何かをやり遂げたい」
という大志もなくはないです。(笑)
ティールのものの見方・考え方を学ぶことで、
ビジネスを捉える視点が大きく広がることを願いながら、
本をまとめてみました。
以下、本のまとめです。
【概要】
新しい何かを創造する企業をどう立ち上げるかについて書かれた本。
方程式ではなく第一原理からビジネスを捉え、思いがけない場所に価値を見出すことで、より良い未来を創る=ゼロから1を生み出すことができる。
【要約】
ティールは、グローバリゼーション(水平的・拡張的進歩…成功例をコピーすること、1からnへ向かうこと)より、テクノロジー(垂直的・集中的進歩…新しい何かをおこなうこと、ゼロから1を生み出すこと)の方がはるかに重要だと主張する。
新しいテクノロジーを生み出すのは、だいたいスタートアップ企業である。
今流行りの「リーン・スタートアップ」では、事前にあまり計画せずに、少しずつ改善することを重視するが、ティールはそうしたスタートアップは成功しにくいと考える。
むしろあるべき姿は、「競合とは大きく違うどころか、競合がいないので圧倒的に独占できるような全く違うコンセプト事前に計画し、それに全てを賭けろ」というスタンスである。
また、ティールは競争ではなく、独占の重要性を強調する。
完全競争下では超過リターンは消失し、競争を避けて利益を追求することがイノベーションの源泉である。
これはティール自身が実体験として痛感しているところである
そのため、優秀な学生が「あいまいな楽観主義」にもとづいた小さな成功しか手にせず、社会を大きく進化させる力を持たないことを批判する。
むしろ、積極的な計画、あるべきものを提示することによって社会を動かし、自分の人生のコントロールを取り戻す試みとしての起業を、人生における正しいアプローチと位置づける。
強い個性を持ったチームが、世界でまだ信じられていない新しい真理・知識「隠されたし真実」を発見し、人類をさらに進歩させ、社会を変えていく。
こうしたプロジェクトのポイントとして、ティールは下記7つを挙げている。
1.テクノロジー
テクノロジーが本物の独占的優位性をもたらすには、
①2番手よりも少なくとも10倍は優れていなければならない
⇒まったく新しい何かを発明する
②既存のソリューションを劇的に改善する
⇒デザインの改善でもOK
2.タイミング
ラストムーバー(最後の参入者)になる。
つまり、特定の市場でいちばん最後に大きく発展して、その後何年、何十年と独占利益を享受する。
3.独占
①プロプライエタリ・テクノロジー
②ネットワーク効果
③規模の経済
④ブランド
これらのいくつかを組み合わせることが独占につながる。
これを成功させるには、小さなニッチ市場を創造し支配し、そこから大胆な長期目標に向けて周辺市場に徐々に拡大していくべきである。
4.人材
全員が一緒にうまく働いていくチームの存在が必要である。
メンバーは利害とビジョンを共有したマフィアであり、また、競争をなくし長期的な関係を築くためにも、全員がまったく違う仕事で際立たなければならない。
5.販売
差別化されていないプロダクトでも、営業と販売が優れていれば独占を築くことはできる。
有効な販売チャネルをひとつでも手に入れれば、ビジネスは成功する。
6.永続性
既存企業への挑戦は「破壊」をまねく。
周辺企業に拡大する計画を練る時には、破壊してはならない。
できる限り競争を避けるべきである。
7.隠れた真実
隠れた真実の存在を信じなければ、これを解き明かすことはできない。
これらを見つけるには、他に誰も見ていない場所、つまり学校では教わらない重要な領域が存在するかを考える。
いかがでしょうか?
二次創業を検討中の経営者の方、
これから起業しようと思考中の方など、
ご興味がある方は是非ご購入してみてはいかがでしょうか?