1．エビスグサ
マメ科カワラケツメイ属
［別名］ロッカクソウ、ハブチャ、ドクケシ、イシャダオシ、ドクナシ、チャースミー
［生薬名］ケツメイシ（決明子）
［薬効］便秘、胃弱、高血圧、二日酔いなど...利尿、緩下、整腸、肝臓の強化
生薬の教科書p.202
ケツメイシ(局）：
マメ科Leguminosae エビスグサCassia obtusifolia LinneまたはCassia tora Linneの種子
＜成分＞アントラキノン：chrysophanol,emodinなど
＜作用＞緩下作用
2.オウゴン（黄芩）
シソ科タツナミソウ属
［別名］コガネヤナギ
［薬草名］コガネバナ
［薬効］肩こり、のぼせ、不眠、スキンケアなど...解熱、利尿、消炎、止血
教科書p.279
オウゴン（局）：
シソ科（Labiatae) コガネバナScutellaria baicalensis Georgiの周皮を除いた根。
＜成分＞フラボノイド：wogonin, baicalin, baicaleinなど
＜作用＞消炎解熱、健胃、止瀉（漢方処方：黄連解毒湯、小柴胡湯など）
柴胡剤（柴胡+黄芩）
3.オニノヤガラ
ラン科オニノヤガラ属
［別名］ヌスビトノアシ
［生薬名］テンマ（天麻）
［薬効］頭痛、めまい、ヒステリーなど...鎮痙、鎮静、強壮
教科書p.357
テンマ（局）：
ラン科 Orchidaceae オニノヤガラ Gastrodia elata Blumeの根茎を蒸したもの。
漢方処方（沈香天麻湯、半夏白朮天麻湯）に配剤される。
4.カッコン（葛根）
マメ科クズ属
［別名］クズカズラ、クゾ、クズハ、カンネカズラ
［薬草名］クズ
［薬効］風邪の初期症状、肩こり...発汗、解熱、止渇、鎮痛、解凝（こりをほぐす）
教科書p.195
カッコン（局）：
マメ科Leguminosae クズ Pueraria lobata Ohwiの周囲を除いた根。
＜成分＞イソフラボノイド配糖体：puerarinなど、でんぷん、サポニン：kaikasaponinⅢ
＜用途＞発汗、解熱、鎮痛、でんぷん製造原料
5.ガマ
ガマ科ガマ属
［別名］ミスグサ
［生薬名］ホオウ（蒲黄）
［薬効］火傷、切り傷、擦り傷、痔など...止血、消炎
6.キササゲ
ノウゼンカズラ科キササゲ属
［別名］ライデンボク、キササギ、カミ
ナリササゲ
［生薬名］シジツ（梓実）
［薬効］腎臓病、膀胱炎、痔、むくみ、新陳代謝の促進など...利尿、健胃
7.ケイヒ
クスノキ科クスノキ属
［別名］ニッキ
［生薬名］ニッケイ
［薬効］頭痛、発熱、軽い悪寒など...発汗、解熱、鎮静、鎮痙、血圧降下、抗炎症、抗菌
教科書p.157
ケイヒ（局）：
クスノキ科 Lauraceae Cnnamomum cassia Blumeの樹皮または周皮の一部を除いた樹皮
＜成分＞cinnam aldehyde(ケイヒアルデヒド）
＜作用＞芳香性健胃薬、解熱、発汗、鎮痛
＜漢方＞葛根湯、桂枝湯など
8.ジオウ
ゴマノハグサ科ジオウ属
［別名］アカヤジオウ、サオヒメ
［生薬名］ジオウ（地黄）
［薬効］循環器系の種々の症状、むくみ...理容、緩下、血糖降下、血流増加、血圧降下、免疫調節
教科書p.295
ジオウ（局）：
ゴマノハグサ科 Scophulriaceae アカヤジオウの根をそのまま、または蒸したもの
<成分＞イリドイド配糖体
catalpol(カタルポール）など
＜作用＞補血、強壮、止渇、解熱（漢方：八味地黄丸、四物湯）
9.ジギタリス
ゴマノハグサ科キツネノテブクロ属
［別名］キツネノテブクロ
［生薬名］ジギタリス
［薬効］心臓疾患...利尿、心筋の力を増強
※嘔吐や下痢などの強い副作用があるため、専門家以外の使用は厳禁。誤食すれば死に至ることもある。
教科書p.297
ジギタリス：
ゴマノハグサ科 ジギタリス Digitalis purpurea Linne の葉を60℃以下で乾燥したもの。
極めて苦い。
＜成分＞強心配糖体 digitoxin(ジギトキシン）
＜用途＞強心利尿焼く、うっ血性心不全、高血圧・虚血性心疾患などに用いられる。
10.ヨモギ
キク科ヨモギ属
［別名］モチグサ
［生薬名］ガイヨウ（艾葉）
［薬効］胃弱、神経痛、湿疹、下痢、腰痛、神経痛、生理痛、生理不順など...健胃、止血、美肌
教科書p.312
ガイヨウ（局）：
キク科 ヨモギ Artemisia princeps Pampanini またはオオヨモギ Artemisia montana Pampanini の葉および枝先。
<成分＞精油 borneolなど
フラボノイド、クマリン類、カフェタンニン類など
＜用途＞出血緩解（漢方：芎帰膠艾湯（キュウキキョウガイトウ））
民間では、痔、膀胱炎などの出血、入浴剤などに応用されている。
11.レンギョウ
モクセイ科レンギョウ属
［別名］イタチグサ、レンギョウウツギ
［生薬名］レンギョウ（連翹）
［薬効］むくみ、腫ものなど...消炎、解毒、利尿、鎮痛、抗菌
教科書p.260
レンギョウ（局）：
モクセイ科 レンギョウ Forsythia suspensa Vahlの果実。
＜成分＞トリテルペン：oleanolic acid 、リグナン：arctiinなど、フラボノイド、フェニルエタノイド配糖体など
＜用途＞解熱、瘀血を除き、腫れを消すなどの薬能がある。咽頭部の炎症や痛み、皮膚発疹などに用いる。
引用文献:まはら三桃, わからん薬学事始, 講談社
教科書：「パートナー生薬学 改訂第3版」 南江堂 、竹谷 孝一、木内 文之 小松かつ子