お疲れ様です、めどもどです。

 

チェコ留学3週目の振り返りをします。

 

今回は、取り組んでいる実験のこと、他の国の文化のこと、について書きたいと思います。

 

まず実験についてですが、僕らの役目は一区切りつきました。実験の目的は「核ラミナであるセントロビンとネスプリンの関係」を確かめること。ここでいう関係とは、接着しているか否か、です。最終的に哺乳類の体細胞にネスプリン遺伝子を電気銃のようなもので打ち込み、蛍光染色してくっついているかどうか顕微鏡で観察します。そのためにはネスプリン遺伝子を増やすことが必要です。

 

まず僕らは、PCRで増やされたネスプリン遺伝子を形質転換でバクテリアのプラスミドに組み込み、培養し、電気泳動をして目的の重さのプラスミドが増えているか確認しました。その後制限酵素でプラスミドを切断し、ちゃんと切断されているか電気泳動しました。目的の遺伝子配列の重さと検出された断片の重さを比べました。

 

以上の作業を僕らは担当しました。その後はrPCRなど遺伝子工学の他の技術を見学させてもらっています。

 

次に文化のことですが、2つ書きたいと思います。

 

まず1つは、イスラエルについて。ともに研究室に通うイスラエル人の医学生から聞いて驚いたのは、army period--兵役制度です。高校を卒業すると3年ほど、男女共に全員兵役に行かなくてはなりません。その後色々なプロセスを経て大学に入学するので大学1年の時点で早くとも25歳らしいです。イスラエルの兵は世界的にも強いことで有名ですが、兵役は睡眠時間が毎日数時間で、凄まじく辛いもののようで、精神を病んで自殺する人も多いようです。彼女の知り合いが、朝に椅子に座って手首を切って自殺していたこともあったようです。また、銃撃、爆弾で命を落とす人も少なくありません。特に男子は前線に出されるので亡くなる人が多いようです。お昼ご飯を僕はカレル大学の食堂で食べるのですが、彼女はおぼんの上で食べるのが兵役時代のご飯を思い出すから、と食堂を使いたがりません。僕は「兵役制度に反対しないのか」と聞きましたが、「ガザ地区から月に数回爆弾が飛んできて、誰かが守らないと危険だから、賛成。2年間厳しい生活をするのは辛いけどとてもタフになれるから、やってよかった」と言っていました。全員当たり前のように兵役に行くことは日本では考えられないことで、日本に生まれてよかった、と思いました。でもその命がけの修羅場を潜り抜けてきたタフさは見習いたいです。

 

次に、ちょっと残念なことですが、ヨーロッパにおける人種差別について。今回の週末は、音楽の都ウィーンに遊びに行きました。

とても楽しい時間を過ごせましたが唯一、残念なことがありました。

僕とインドネシア人の友達は、お昼ご飯を食べにある有名なオーストリア料理のお店に行ったのですが、空席が多くあったのにも関わらずアジア系の人が固まった一番奥の部屋に通されました。その部屋だけ混んでいて、他の部屋はガラガラで白人が数組いる程度でした。インドネシア人の友達は鈍感で気づきませんでしたが、他の部屋には一切アジア系の人がいなく、新たに僕らがいる席付近にアジア系の人が通されているのを見て確信しました。

 

この記事を思い出しました。

https://www.j-cast.com/2015/03/31231826.html?p=all

 

これは有名音楽家のガクトさんが、フランスのホテルのカフェで窓際に座ったら奥に座るよう店の人に言われ、その直後に白人が来るとガクトさんが座りたかった席に座り、別のアジア系の人が景色のいい席に座ろうとすると退くよう言われた、というもの。うわさには聞いてましたが、まさか自分が体験するとは思ってもいませんでした。人種差別に反対する世の中になったこのご時世でも、まだ考えの古い方々がいるようです。自国で職を見つけられないからヨーロッパに出稼ぎに来ているベトナム、中国系の人々や、マナーの悪い中国の観光客を見て、アジア系も差別の対象とされることが未だにあるのかもしれません。もちろん殆どの人はそんなことをしませんし、それが少数派であることを信じたいです。実際、フランスではニュースでそういうことをしている飲食店を問題視する報道がされています。そういうこともあるよ、くらいの気持ちで、海外を楽しもうと思います。(チェコの人はプライドが高くなく、おおらかだと思います笑)

 

まあそういうことはありましたが、それをひっくるめてもオーストリア旅行楽しかったです!さすがヨーロッパ有数の都市、町はとても綺麗でした。教会でクラシックの演奏を聴いたり、宮殿、博物館、世界で一番綺麗な図書館に行ったり、とても大満足でした。

今回はこの辺で。では!