デザイナー阿部潤一のラストコレクション

くりくりのボア

コーデュロイジャケットの裏はボア

もしかしてみんな裏表着れる2way？

ダウンの上にボアベスト

カラフルなクルクルボアコート

ブルーレザーセットアップにメルトンコート

サックスコートの上にブルーデコボアベスト

ライン入りローゲージカーディガン

ローゲージチルデンジレ

ニットグローブにクルクルボアスリッパ

レース付きケーブルカーディガン

シンプルな球心柄ニット

ラメライン入りケーブル

ミッソーニ風柄ニット

このチェックはギャザーワイドパンツに付いてるのかな？

おばあちゃんが着てた風なニットベスト

腕鬱血してそうなローゲージカラー杢ニット

フロントレースのアーガイルニット

Pコートの上からコルセット

ホントにギックリだったら直接腰に巻かないとねww

デカ過ぎるダッフルコートはちゃんと留められるかな？

ボンディングメルトンみたいなパカパカジャケット

ニットの下の合繊袖ボリュームブラウスにウールのオーバーオール

パール付きチェックブルゾンにフロントバール留めぶらうす

このパンツはスカート付きなのかな？

マッキン付きなのにスリット開けてハンドステッチのこだわりパンツ

阿部潤一様

　カラーのショー会場に着くと、ギフトとともに手紙を渡される。それはデザイナーの阿部潤一からのもの。この秋冬のショーをもって、自身はデザイナーを退き、スタッフとしてカラーを支えるという内容だ。カラー以前のブランドも含めて、30年近く阿部の服を見てきた者にとって、それは一つの時代の終わりを象徴する事実だ。

　ショーはたくさんのスポットライトのまばゆい光の中をモデルが歩く形式。カラーらしい、テーラードアイテムにスポーツアイテムをレイヤードしたスタイルが充実する。もこもこのボリュームたっぷりのベストをスーツに重ねたり、ジャケットの上からバルキーカーディガンを重ねたり。ここ数年、見せてきたシャツやジャケットの襟パーツだけを重ねたデザインも見られる。グレーがかったブルーのアウターやえび茶系の杢ニットの配色は、阿部の好きな独特のカラーチョイス。

　ヨウジヤマモトやコムデギャルソン（ジュンヤワタナベ）でパタンナーとしてのスキルを磨いて独立した。独立後の阿部は日本を代表する先人のブランドの手法を否定して、新しいブランドビジネスを模索してきた。デザイナー名をブランドに冠することを嫌い、匿名性を込めたブランドを立ち上げたこともあった。一貫してプロダクトクオリティーを重視して、初期はショーでの見せ方にも否定的だった。昭和の文筆家のような雰囲気のテーラーリングとスーパーマーケットの店員のユニフォームのようなスポーツアイテム、キッチュでレトロな雰囲気と本格的な作り。それが阿部のデザインだった。

　昨年、ブランドはコロネットの傘下に入ったが、阿部はそのままデザイナーを続けるとばかり思っていた。コロネットに経営を任せた理由について、「自力では出店スピードについても限界がある」と阿部は語っていた。確かに今のブランドビジネスはパワーゲーム化しており、資本力のあるブランドが出店攻勢をかけてシェアを拡大していく傾向にある。インディペンデントのデザイナーのビジネスは厳しい。新しい体制で、カラーはどういうデザインとビジネスを築いていくのだろうか。

2025 FALL KOLOR