ブラックロックのフィンクCEO=ロイター
【ニューヨーク=竹内弘文】世界最大の資産運用会社、米ブラックロックが15日発表した2024年10〜12月期決算は純利益が前年同期比21%増の16億7000万ドル(約2600億円)となった。米大統領選前後の株式相場上昇などを背景に株式を中心に新規の資金運用受託が増え、資金流入額は2814億ドルと2四半期連続で過去最高を更新した。
24年末時点の運用資産総額は前年比15%増の11兆5512億ドルで過去最高となった。手数料収入の増加により10〜12月期の調整後1株利益は11.93ドルとファクトセット集計の市場予想(11.24ドル)を上回った。発表後、15日の時間外取引でブラックロック株は上昇した。
上場投資信託(ETF)や指数連動型商品などで運用資産規模を増やしてきた同社だが、近年は上場株や債券といった伝統的金融資産以外の、オルタナティブ(代替)投資にも注力している。
24年末時点のオルタナ運用資産は4550億ドルと、23年末時点から1000億ドル以上上積みした。インフラ投資ファンド大手の米グローバル・インフラストラクチャー・パートナーズ(GIP)の買収が24年10月に完了したことなどが貢献した。
ラリー・フィンク最高経営責任者(CEO)は決算説明会の場で、24年12月に買収を発表したプライベートクレジット(ファンドによる融資)大手の米HPSインベストメント・パートナーズについて「4〜6月期の買収完了を期待している」と述べた。既存の顧客ネットワークを活用し「プライベートクレジット市場拡大の恩恵を最大限受けられる組織になっていく」とも語った。
グローバル顧客事業責任者、マーク・ウィードマン氏が近く退社予定であることも発表した。同氏はブラックロックに約20年在籍したベテランで、共同創業者であるフィンク氏の後継候補の一人とも目されていた。

