斎藤元彦・兵庫県知事らに対する告発文書問題をめぐり、政治団体「NHK党」党首・立花孝志被告(別の名誉毀損事件で起訴・勾留中)が行った街頭演説で名誉を傷つけられたとして、丸尾牧・兵庫県議が立花被告を相手に損害賠償を求めた訴訟の判決で、神戸地裁尼崎支部は1月28日、立花被告による名誉毀損を認め、330万円の賠償を命じた。 

 

デマ拡散、恐怖を実感 

 

丸尾県議の代理人・石森雄一郎弁護士によると、名誉毀損に関する訴訟での賠償額は、通常なら最高で100万円程度とされるが、330万円の賠償命令は異例という。  訴状によると、2024年11月の兵庫県知事選挙に立候補した立花被告が、西宮市内の商業施設で行った街頭演説で、元県民局長の男性(2024年7月死亡)が作成した告発文書について、「実は丸尾とかが書いたんですって、嘘を。あの告発文書は丸尾牧も書いとるんです(中略)こいつらがデマを流してる」などと言及したとしている。  丸尾県議は、この告発文書について調べる県議会調査特別委員会「百条委員会」の委員を務めていた。  

 

判決で神戸地裁尼崎支部は、立花被告の街頭演説について、「内容が真実であるとは認められない」とした。  そして、「デマを用いてでも世論を誘導した街頭演説は、民主制の存立そのものを危うくしかねない弊害が認められ、政治活動の自由や表現の自由を濫用、有権者の判断を歪(ゆが)めており、悪質といわざるを得ない(判決文ママ)」と断罪した。  この演説の動画が約29万回視聴されたことも判明。「確たる根拠がないにも関わらず、立花被告が街頭演説で名誉を棄損する事実を摘示した」とも指摘した。  

 

折しも、衆議院選挙の期間中の判決となった。丸尾県議は、「選挙でデマが飛び交うことが当たり前になっているのはおかしい。(立花被告が)選挙期間なら何を言っても良いという風潮を作り、無法地帯となっていた。事実に基づくしっかりとした議論がなされたうえで、候補者や政策の選択ができるようになってほしい。 このままでは社会が壊れると思ったが、自身が感じていたことを裁判所が認定した。この判決は大きな歯止めとなる。 あらゆるメディアから発信される情報について、その真偽や意図を読み解く“メディアリテラシー”を考え、社会のルールづくり、安心できる環境づくりが必要」と訴えた。  石森弁護士は、「司法が(デマの拡散という)危機感を持って下した、かなり踏み込んだ判決。知事選当時、立花被告を利用した者の悪質性も高い。当事者は重く受け止めてほしいし、デマを信じてしまった方々は目を覚ましてほしい。『知事選に正当性があったかどうか』を考えることが重要だ」と話した。