拉致問題:帰国求める国民大集会に高市首相出席「金正恩総書記と会談を北朝鮮に打診」会場どよめき。
高市早苗首相(64)は3日、東京都内で開かれた拉致被害者の即時帰国を求める国民大集会に出席し、金正恩朝鮮労働党総書記との会談を北朝鮮側に打診したと明らかにした。【写真】北朝鮮による拉致被害者横田めぐみさんの母、横田早紀江さん 「拉致被害者の方々の命と国家の主権がかかったこの問題に対し、私は手段を選ぶつもりはありません」と、強い口調で決意を述べた後だった。「すでに北朝鮮側には首脳会談をしたい旨を、お伝えしています」と続けると、場内では拍手とどよめきが起きた。 高市首相は就任直後の先月23日、横田めぐみさん(失踪当時13)の母、横田早紀江さん(89)ら被害者家族の代表と官邸で面会。同28日には、来日中で当初は面会予定がなかったトランプ米大統領側に、被害者家族らとの面会を働きかけ実現させていた。 帰国が実現していない拉致被害者12人のうち、親世代で存命なのは早紀江さんだけという現実を踏まえ、高市首相は集会で「すべての拉致被害者の方の1日も早いご帰国の実現へ心血を注ぐ。あらゆる選択肢を排除せず、なんとしても私の代で突破口を開き、拉致問題を解決したい」と述べた。さらに北朝鮮に対し「ご家族がご健勝でおられるうちに解決することは、日朝双方が平和と繁栄を享受し未来を描くためにも不可欠」と呼びかけた。 拉致問題は、高市首相と近い安倍晋三元首相を含め歴代内閣が解決を目指したが実現せず、日朝首脳会談は小泉純一郎政権下の04年5月が最後。めぐみさんの弟で家族会の横田拓也代表は「私たちは高市総理に全幅の信頼を置いている。解決に向けて共同歩調を取りたい」とあいさつ。早紀江さんは「解決しますとおっしゃっていただいていることに心から感謝している。必ず実現していただきたい」と、高市首相に語りかけた。