朝10時、定刻通り知床観光船おーろらが出航しました。
ここから知床岬への長い航海が始まります。
出港から約10分で見えてきたのはフレペの滝。
別名「乙女の涙」と呼ばれるフレペの滝。
知床連山に降った雨と雪が地下に浸透して湧き出て、オホーツク海に面した高さ100mの断壁の割れ目から流れ落ちて行きます。
そのフレペの滝をシーカヤックから見て楽しむ人の姿も見えました。
フレペの滝がある入り江を通過し、その次の入り江には湯の華の滝があります。
フレペの滝の別名が「乙女の涙」ならば、湯の華の滝の別名は「男の涙」と呼ばれてます。
高さ100m以上の断壁から幾筋もの地下水が乙女の涙より豪快に流れているのが理由のようですが、諸説あるようです。
高さ80m~200m級の断壁が続く知床半島。
船から見える断壁の迫力は圧倒的です。\(゜□゜)/
ここでちょっとだけ船内で撮った写真を紹介。
船内にはおーろらに乗船した著名人のサイン色紙が展示されてました。
そのうちの一枚は作家・小澤征良さんのサイン色紙。
彼女のお父さんは世界的指揮者として有名な小澤征爾さんです。
ここからは再び知床半島の写真に戻ります。
アイヌ語で“黒い洞窟”と呼ばれるクンネポール
知床半島には荒波によって岩盤が削り取られた洞窟がいくつもあります。
↑洞窟の中をアップで撮影。
断壁続きだけではなく、たまにこのような拓けた場所も現れ、民家が数件建ってました。
海からそそり立つ断壁の上は雲で覆われている知床半島。
天気が曇りなのは残念でしたが、前日は大雨だったので天候によっては船が運休してたかもしれません。
そう考えれば運航されただけでもマシ?
知床岬へ進む知床観光船おーろら。
出港からまだ20分しか経ってないので、知床岬の突端はまだまだ先です。
五湖の断壁。
この上に知床五湖があります。
カムイワッカの滝。
このカムイワッカの滝付近には北海道道93号 知床公園線が通ってますが、陸路からこの滝に近づくのは困難なため、この滝は船からでないと見えません。
93号線の終点はそのカムイワッカの滝の近くにある知床大橋まで。
そこから先は車はもちろん、歩いて行くことも出来ないよう通行止めになってます。
この付近は硫黄山。
山頂は雲にかかって見えませんが、標高は1562mあります。
カムイワッカの滝は硫黄山を源流としているため、滝には硫黄が含まれてます。
出港から50分経過。
知床岬の突端はまだまだ見えません。
ヨウシペツの滝。
別名で「硫黄川の滝」と言われるように、カムイワッカの滝と同様に温泉の硫黄成分が含まれた滝。
落差は80mもあります。
知床観光船おーろらよりも先に、このような小型船も航行してました。
おーろらを運航する道東観光開発(株)だけではなく、知床岬へ就航する事業者は他にもあります。
おーろらは大型船のため揺れも少なく、コーヒーラウンジや売店があったりと船内設備が充実してますが、海岸に接近することはできません。
小型船だと大型船に比べて揺れは大きく、船内設備も見劣りしますが、このように海岸に接近できるので、大型船より迫力の景色が楽しめるという良さがあります。
ここら辺はルシャと呼ばれる地区。
知床半島の海岸沿いには番屋がいくつかありますが、ルシャはその中で最も熊が出没するエリア。
ここで働く漁師さん達は熊と共存しているんだというのだから驚きです\(゜□゜)/
近くで熊とは遭遇したくないですが、船の上からなら野生の熊を見てみたいですよね?
そんなわけで滝や番屋、奇岩だけではなく熊もいないかと血眼(?)になって探したんですが、残念ながら今回は熊を発見できませんでした(´・ω・`)
チャラッセナイの滝。
その滝の手前には番屋があります。
日本最後の秘境と呼ばれる知床半島。
ここを訪れる前までは大自然しかないものだと思ってたんですが、こういう人工物(番屋)があるのは意外でした。
カシュニの滝。落差は約30mです。
この滝は今まで見てきた岩浜に流れ落ちる滝と異なり、海へ直接流れ落ちる滝となってます。
出港から1時間半が経過。
断崖絶壁が続いてきた知床半島の山並みが低くなってきました。
またまた番屋がある地区が見えてきました。
よく見ると結構朽ち果ててますね。
番屋の前にはショベルカーらしきものの姿も。
漂着物が散らばる岩浜。
知床岬の突端までいよいよあと少し。
ライオンが伏せているようにも見えるこの奇岩は獅子岩と言います。
右側の奇岩は親指を立てたフェイスブックの「いいね」マークに見えないですか?(笑)
番屋・テトラポッド・クレーン車などが見えます。
ウトロ港を出発してから約1時間50分、ついに知床岬の突端にやってきました
アイヌ語で「地の果て」を意味するシリエトクが語源である知床。
知床半島の突端はこれまでの断崖絶壁が嘘のように、平坦な海岸段丘になってます。
ここまでの写真で紹介してきたとおり、人を寄せ付けない断壁とそれに続く深い森、半島を貫く険しい山々、多くの川や湖・草原、流氷などの自然によって野生動物本来の営みが守られてきました。
海と陸の生態系の相互作用とその特異な生態系が高評価され、2005年7月14日に世界遺産への登録が決定。
北海道から初めて世界遺産が誕生し、知床が世界の宝になりました。
知床岬にはこのような灯台が設置されてます。
雲がかかっていて残念ですが、知床岬の先にはうっすらと北方領土の国後島が見えました。
ロシアが実効支配中である北方領土に、日本人が足を踏み入れるのは現時点で不可能。
ここ北海道から肉眼で見える近さにあるのに、何だか物凄く遠い場所に思えますよね。
その北方領土と言えば、明日プーチン大統領が来日し、安倍首相との日露首脳会談がありますね。
北方領土の返還問題がクローズアップされていますが、進展はあるのでしょうか?
知床岬に到達後、船内ではこのような「知床岬視察証明書」が配布されました。
それを貰い、知床岬をバックに記念撮影。
知床岬はそう気安く来れる場所ではないので、こういうのは記念として嬉しいですね~o(^▽^)o
知床岬視察証明書の裏はポストカード。
おーろら乗船記念と、乗船したH28年6月26日のスタンプを押しました。
知床岬に到達したということで、ここでUターン。
船はウトロ港へと戻ります。