タックス・ヘイブンはもとより、EUでは「税の競争」と「税の調和」のため、EU域内における各国が①参加免税、②利子・使用料の源泉徴収税、③キャピタル・ゲイン非課税を義務付けるほか、加盟国間におけるCFCルールの適用も欧州司法裁判所(ECJ)のキャドベリー・シュベップス事件のように「Wholly artificial arrangement」以外の場合にイギリス法人のアイルランド金融子会社にイギリスCFCルールを適用することはEC条約の設立の自由違反とする等、日本のCFCルールの適用上、EU域内の課税所得、非課税所得、免税所得等の基礎概念を「本店所在地国法令に基づく所得」「本店所在地国法令により非課税とされる所得」の決定においてどのように当てはめるかも重要な問題である。ECJが直接税についてもEC条約、EU法・EU Directivesに反する各国内法を無効とする形で各国内法では「課税所得」とされている場合に、EU条約やEU法で「非課税」又は「免税」とする場合、これらの所得を「本店所在地国法令で非課税とされる所得」として分母に加算すべきか否かを明らかにする必要がある。
「統括会社」を事業基準から除外するにあたって、EUの「持株会社」、各国で導管として利用されている「中間持株会社」に、日本のCFCルールの適用上、「統括会社」概念をどのように当てはめるかは重要な問題である。「統括会社」とは、次の3要件のすべてを満たす特定外国子会社をいう。
① 一の内国法人により発行済株式等の全部を直接・間接に保有されている特定外国子会社等で株式等の保有を主たる事業とするものであること。
② 二以上の非統括会社を有しそれらの非統括会社に対して統括業務を行っていること
③ 所在地国において統括業務を行うのに必要な従業員を有すること。
EU、例えばオランダのような導管国については上記③の要件が問題になる。導管国においても、持株会社は「実質要件」を満たさなければならないが、日本では通常「ペーパー・カンパニー」とみているmail-box companyが普通であり、直接の従業員を有することは必要とされず、信託事務所を有する場合に持株会社として租税優遇措置が適用される。仮にオランダ持株会社が特定外国子会社に該当するとした場合、「統括業務を行うのに必要な従業員」とは同社の内部雇用の従業員のみを意味するのか、信託事務所(弁護士等)に委託することを含むのか明確にする必要がある。
「統括会社」を事業基準から除外するにあたって、EUの「持株会社」、各国で導管として利用されている「中間持株会社」に、日本のCFCルールの適用上、「統括会社」概念をどのように当てはめるかは重要な問題である。「統括会社」とは、次の3要件のすべてを満たす特定外国子会社をいう。
① 一の内国法人により発行済株式等の全部を直接・間接に保有されている特定外国子会社等で株式等の保有を主たる事業とするものであること。
② 二以上の非統括会社を有しそれらの非統括会社に対して統括業務を行っていること
③ 所在地国において統括業務を行うのに必要な従業員を有すること。
EU、例えばオランダのような導管国については上記③の要件が問題になる。導管国においても、持株会社は「実質要件」を満たさなければならないが、日本では通常「ペーパー・カンパニー」とみているmail-box companyが普通であり、直接の従業員を有することは必要とされず、信託事務所を有する場合に持株会社として租税優遇措置が適用される。仮にオランダ持株会社が特定外国子会社に該当するとした場合、「統括業務を行うのに必要な従業員」とは同社の内部雇用の従業員のみを意味するのか、信託事務所(弁護士等)に委託することを含むのか明確にする必要がある。