ステッピングモータは一定角度ずつ回転する特性を持ち、位置決め制御が比較的簡単なモータとして多くの装置に使われています。しかし負荷変動や加減速条件によっては、脱調や位置ずれが発生する可能性があります。そこで重要になるのが「ステッピングモータエンコーダ」です。回転位置や速度を検出し、制御精度や信頼性を高める役割を担います。本記事では、ステッピングモータエンコーダの基本構成と動作原理を分かりやすく解説します。

1. ステッピングモータエンコーダとは何か

ステッピングモータエンコーダとは、モータの回転角度や回転速度を検出するセンサ装置です。
ステッピングモータ単体はオープンループ制御でも動かせますが、エンコーダを組み合わせることで実際の動作を確認でき、より安定した制御が可能になります。特に高精度位置決めや脱調検知が必要な用途で活用されます。

2. 基本構成①:回転体(ディスク・スケール)

エンコーダの中心となるのが、回転に合わせて動くディスク(スケール)部分です。
このディスクには一定間隔のパターン(スリットや磁気パターン)が形成されており、回転角度に応じて信号が発生する仕組みになっています。回転体の精度が高いほど、検出精度も向上します。



3. 基本構成②:検出部(センサ)

ディスクの動きを読み取るのが検出部で、光学式や磁気式などがあります。
光学式はLEDと受光素子でスリットの変化を検出し、高分解能に向きます。磁気式は磁気センサで磁束変化を読み取り、粉塵や油がある環境でも比較的強いという特徴があります。

4. 基本構成③:信号処理回路(出力回路)

検出した情報を使いやすい信号に変換するのが信号処理回路です。
アナログ信号をデジタル信号に整形し、パルス信号として出力することで、ドライバや制御装置が回転状態を把握できるようになります。ノイズ対策や信号安定化もこの部分の重要な役割です。

5. 動作原理:パルス信号で回転量を検出する

エンコーダは回転に応じてパルス信号を出力し、その数を数えることで回転量を求めます。
例えば1回転あたりのパルス数が多いほど、より細かい角度を検出できます。さらに、A相・B相の2信号を使うことで回転方向も判別でき、位置制御の精度が高まります。



6. インクリメンタル方式とアブソリュート方式の違い

ステッピングモータエンコーダには主に2種類の方式があります。
インクリメンタル方式は回転量を相対的に検出するため、原点復帰が必要になります。一方、アブソリュート方式は電源投入時でも位置情報を保持できるため、原点復帰の手間を減らせるメリットがあります。用途に応じた選択が重要です。

7. ステッピングモータでの活用効果

エンコーダを搭載することで、脱調検知、位置ずれ補正、異常停止などが可能になります。
これにより、オープンループ駆動では不安が残る高負荷用途でも信頼性を高められます。クローズドループ制御により、サーボに近い制御性を実現できる点も大きな利点です。

まとめ

ステッピングモータエンコーダは、回転体・検出部・信号処理回路から構成され、回転に応じたパルス信号を出力することで位置や速度を検出します。インクリメンタル方式とアブソリュート方式の違いを理解し、用途に合った選定を行うことで、脱調対策や精度向上に大きく貢献します。高精度・高信頼性が求められる装置では、ステッピングモータエンコーダの導入が有効な選択肢となります。