共同相続人間の相続回復請求権~相続回復請求権~ | 法律を科学する!理系弁護士三平聡史←みずほ中央法律事務所代表

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大学では資源工学科で熱力学などを学んでいました。
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Q 父が亡くなりました。
  相続人は私と兄の2名だけです。
  遺産のうち,私が相続した不動産を兄が長期間占有したままです。
  返還請求の時間制限はあるのでしょうか。


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A 相続人同士の間についても,相続回復請求権(の時間制限)は適用されます。
  ただし,単なる不法占拠(=明らかに相続権を超える)については対象外です。


【共同相続人間の相続回復請求権】
父が亡くなりました。
相続人は私と兄の2名だけです。
遺産のうち,私が相続した不動産を兄が長期間占有したままです。
返還請求の時間制限はあるのでしょうか。

→相続人同士の間についても,相続回復請求権(の時間制限)は適用されます。ただし,単なる不法占拠(=明らかに相続権を超える)については対象外です。

相続回復請求権は,相続人同士,つまり,「共同相続人に対して」も適用されるかどうか,説が分かれていました。
この解釈については,最終的に,最高裁が判断を示すことにより,統一が図られました。
結論として「共同相続人間でも適用される」ということになっています(判例後掲)。
ただし,あくまでも,特別受益や寄与分などにより,争いがある,という場合だけです。
特に法的な主張があるわけでもなく,単に「他の相続人が承継した財産を不当に占拠している」というようなケースでは相続回復請求権は適用されません。

[民法]
(相続回復請求権)
第八百八十四条  相続回復の請求権は、相続人又はその法定代理人が相続権を侵害された事実を知った時から五年間行使しないときは、時効によって消滅する。相続開始の時から二十年を経過したときも、同様とする。

[最高裁判所大法廷昭和48年(オ)第854号登記手続等請求事件昭和53年12月20日]
共同相続人のうちの一人又は数人が、相続財産のうち自己の本来の相続持分をこえる部分について、当該部分の表見相続人として当該部分の真正共同相続人の相続権を否定し、その部分もまた自己の相続持分であると主張してこれを占有管理し、真正共同相続人の相続権を侵害している場合につき、民法八八四条の規定の適用をとくに否定すべき理由はないものと解するのが、相当である。
(略)
自ら相続人でないことを知りながら相続人であると称し、又はその者に相続権があると信ぜられるべき合理的な事由があるわけではないにもかかわらず自ら相続人であると称し、相続財産を占有管理することによりこれを侵害している者は、本来、相続回復請求制度が対象として考えている者にはあたらないものと解するのが、相続の回復を目的とする制度の本旨に照らし、相当というべきである。

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