相手の住居に届いた郵送物を抜き取った場合の証拠能力~違法収集証拠と証拠能力;メールの盗み見など~ | 法律を科学する!理系弁護士三平聡史←みずほ中央法律事務所代表

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大学では資源工学科で熱力学などを学んでいました。
科学的分析で法律問題を解決!
多くのデータ(事情)収集→仮説定立(法的主張構成)→実証(立証)→定理化(判決)
※このブログはほぼ法的分析オウンリー。雑談はツイッタ(→方向)にて。

Q 夫との関係が悪化し,別居しています。
  不倫していると思うのですが,証拠をつかんでいません。
  夫の住居に届いていた郵便物を抜き取って内容を確認しました。
  これは証拠として使えますか。


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A 証拠能力が否定される可能性があります。

【相手の住居に届いた郵送物を抜き取った場合の証拠能力】
夫との関係が悪化し,別居しています。
不倫していると思うのですが,証拠をつかんでいません。
夫の住居に届いていた郵便物を抜き取って内容を確認しました。
これは証拠として使えますか。

→証拠能力が否定される可能性があります。

別居している場合,夫婦とは言えども,それぞれのプライバシーは一定程度保護されます。
相手方の住居に届いた郵便物を郵便受けから抜き取る行為は,「住居への侵入」よりは程度が低いと言えましょう。
しかし,個人宛の手紙・書面は,その種類にもよりますが,一般的に,機密性が高いと言えます。
プライバシーのコア部分に当たる情報であることが多いです。
そこで,別居している者(配偶者)への郵便物を盗み取ることによって証拠を得た場合,違法性が高い→証拠能力なし,と判断される傾向にあります。
裁判例では,「不倫相手用に確保した住居に届いた夫宛の手紙」を妻(原告)が無断で抜き取った,というケースにおいて,結果的に証拠能力を認めています。
このケースでは,妻(原告)と夫が同居していた,ということが重視されています。
逆に言えば,妻と夫が別居していたとしたら,違法性が高い→証拠能力否定,と判断される傾向がありましょう。

[名古屋地方裁判所平成2年(ワ)第1137号損害賠償請求事件平成3年8月9日]
たしかに、《証拠略》によれば、甲第一の一、二は原告が前記戊田マンションの郵便受けの中から太郎に無断で持ち出して開披し、隠匿していた信書であることが認められ、夫婦間の一般的承諾のもとに行われる行為の範囲を逸脱して取得した証拠であることが伺われなくもないが、前記認定のとおり、太郎は、被告との関係を原告に隠そうとしていなかったこと、太郎は現在も被告らと共に鰻屋を営んでおり、原告と同居していることがみとめられる(原告本人)のであるから、右証拠収集の方法、態様は、民事訴訟において証拠能力を否定するまでの違法性を帯びるものであるということはできないと考える。

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