誇りある専門職を目指して


社団法人 日本理学療法士協会

会長 半田 一登



 


 誇りある専門職を目指すための


 第1段階は、商品の品質管理(知識・技術)にある。

消費者の論理は良い商品を安く買うということが当たり前であり、それを前提とすれば生産者としての理学療法士がその商品である知識と技術の質を高めなければならないのも当たり前すぎる話である。専門職理学療法士は常に品質管理に努めなければならない。診療報酬や介護報酬でさまざまな職種がリハビリテーションや理学療法の分野に進出している。それを許しているのは理学療法士による理学療法の質的な壁が低いからではないだろうか。誰も手を出せないハイレベルな理学療法士による理学療法を作り上げること、全ての国民からその商品価値を認められることが誇りある専門職として第一歩である。


 第2段階は誇りある職能的対価を勝ち取ることである。

昭和の時代に上がり続けた理学療法料(リハビリ料)はバブル経済の破綻を境として下がり続けている。1年間のリハビリ料収入が医療保険分野で約1100万円、介護保険分野で約900万円では話にもならない。昨今、介護職員の低賃金が話題になっているがこれは医療界全体の問題である。これらを改善するためにはEBMが特に大切であり、それも協会としての目的性を持った職能的研究が必要である。他の職種にありえない理学療法効果を証明することこそが望まれる。また、職能活動の中心として学歴向上がある。現在、理学療法士教育は大学・4年制専門学校・3年制専門学校がそれぞれ1/3となっている。何故に健康と命そして生活を守るべき医療職が3年間教育とされてきたのであろうか。他者によってきめられた教育年限、それを変えるのは自ずからの力しかあり得ない。今日的利害を捨て、永遠なる理学療法のために一緒に汗を流す時ではないだろうか


 第3段階は誇りある専門的立場を確立することである。

我々はなにゆえに社会的に存在しているのであろうか。それは医学的にも社会的にも障害者や高齢者の生活を守ることに他ならない。そのためにはWHOの「社会に適合させるだけではなく、社会すら変えることが大切である」という考え方は非常に重要と考えている。このことも理学療法士の政治参加を目指している大きな理由である。


 専門職としての誇りについて雑感を述べた。このような視点から本会の在り方を考えることも大切である。会員の方々も一度考えてみていただきたい。








理学療法協会より抜粋。


http://wwwsoc.nii.ac.jp/jpta/from_chairman/h090302.html











今一度、PTは心に留めて置いてほしい。


自分達の地位のためだけではない。


>>我々はなにゆえに社会的に存在しているのであろうか。

それは医学的にも社会的にも障害者や高齢者の生活を守ることに他ならない。





そう思います。

(関わるすべての人でもいいと思うけど…)

理学療法士の質や地位が落ちると、

自分達の首をしめていると思ったらそれは大きな間違い。

今あなたがリハビリを行っている患者さん・利用者さんの首をしめていくのだ。


自分のお給料心配ではなく、違う視点で自分達の仕事に将来について考えてみてはいかがでしょうか?

私も常にそうでありたいです。