mba-biznoteのブログ
M&A業務…出世コースなのは確か
- M&A業務の特徴
- CEOや経営トップなど、非常にシニアな経営層への高い可視性
- デッドラインが厳しく、プレッシャーの大きい環境
- うまくやれば一気に昇進・抜擢される、失敗すると一気に評価が下がる「ハイリスク・ハイリターン」な場
- M&Aは組織が「アンフリーズ」されるタイミング
- M&A時は組織再編で全員のポジションが見直される
- 通常時では社内政治的に不可能な昇進・配属先変更が起こり得る
- 小さい買収でも、買収先への出向などでキャリアの「大ジャンプ」が可能
M&Aの成功確率と価値破壊…実は成功しないことが多い
- 成功確率(多くの研究のざっくりした結論)
- 約50%:価値破壊
- 約25%:価値中立(統計的に有意な差が見えない)
- 約25%:価値創造(買い手株主にとってプラス)
- 「巨大減損クラブ」の事例(30Bドル超の減損)
- RBS – ABN AMRO:約45Bドル
- GFC直前に高値で買収+巨大な不良債権ポートフォリオを引き受け
- 買収資金を多額の借入で調達 → 危機で事実上破綻、英政府に救済される
- AOL – Time Warner:約54Bドル
- Vodafone – Mannesmann:約45Bドル
- Sprint – Nextel:約30Bドル
- ポイント
- こうした額の価値をマーケットキャップとして積み上げるには数年~5年以上かかる
- しかし破壊は「契約にサインした瞬間」にほぼ起こる(特に現金買収の場合)
- 会計上は長く先送りできるが、最終的には会計士により減損を強制される
CEOの心理とM&A実行動機…成功率は低いがCEOはやりたい
- CEOの個人特性(半分事実、半分冗談)
- 「せっかち(impatient)」:ゆっくりした変革では満足しない
- 「自信過剰(overconfident)」:成功確率1/4でも「自分はその1/4だ」と信じる
- IQよりも「自己効力感/自信」がCEOを特徴づける
- 構造的なプレッシャー
- S&P500のCEO在任期間:平均6~7年
- デジタルトランスフォーメーション:大企業だと4~5年はかかる
- 1つ目のジョブと最後のジョブは「レームダック」的になりやすく、本当にフルに動ける期間は短い
- 有機的成長だけでレガシーを作るには時間が足りない → M&Aで一発転換を狙う
- エージェンシー問題
- CEOは株主価値だけでなく「帝国を大きくする」インセンティブも持つ
- ストックオプションなどでインセンティブ整合を図るが完全ではない
重要なM&Aの原則…数字だけではない
- 鉄則「まず戦略ありき」:戦略が先、M&Aはその手段
- シナジー仮説は
- ターゲット選定
- Valuation
- デューデリジェンス
- PMI まで一貫して紐づいている必要がある
- コア事業から遠くなるほど、失敗確率は上がる
- クロスセルの成否は、事前にかなりの程度まで「構造的に予測可能」
- PMI成功には
- 明確なオーナーシップ(ディールチャンピオン)
- 文化・営業スタイル・組織構造への配慮 が不可欠
- ボード力学・個人の性格・インセンティブ設計など、「人」の要素がディールの行方を大きく左右する

