富士山の近くの東郷学園女子高校。授業終了を告げるチャイムが鳴る。校門から下校する生徒たちがあふれ出す。その中でもひときわ目立つショートカットの美少女の携帯に着信が。
『はい・・・あ、お母様。どうしたの?』
『ユリカ、ついにネオミケーネが現れたわ。車が迎えに行ってるから早く帰ってきてちょうだい』
『とうとう現れたのね・・・』
「ユリカさん!」
黒塗りのセダンから声が。
『あっ、今迎えが来たみたい。急いで帰るわね』
『よろしく』
社内で所員からブリーフィング。
・ 謎の巨大ロボットが日本に近付いていること
・ 自衛隊が食い止めようとしたがまったく歯が立たなかったこと
・ 巨大ボットはまっすぐ光子力研究所に向かっていること
「研究所に・・・」
「そうなんです」
「じゃあいよいよフレイアンの出番ね」
「そうですね。緊張しますか?」
「ぜーんぜん。腕が鳴るわ」
車は研究所に到着。
「ありがとうございました」
駆け出すユリカ。まっすぐコントロールタワーへ。
「お母様!」
「ユリカ、早かったわね」
応えるさやか。白衣がよく似合うアダルトな美女だ。かつてはアフロダイA,ダイアナンAを駆り、勇敢に戦った彼女も母親となり、年相応に落ち着いている。夫・甲児の不在の研究所を所長代行として切り盛りしている。
「敵は今どの辺なの?」
「研究所まであと10分というところかしら」
スクリーンにはその姿が映し出されている。四つんばいになって歩く巨大な亀の姿。
「あれが・・・」
はじめて敵の姿を目の当たりにして緊張するユリカ。
突如スクリーンの画像が乱れ、奇怪な男性の姿が映る。
『光子力研究所の諸君』
「!」
驚くさやかとユリカ。
『わたしの名はハデス将軍。ネオミケーネの闇の女王様の僕』
「闇の女王!?」
『あと10分ほどでそちらに着く。その時が諸君の終わりだ。命がほしければ今のうちに退避することだな』
一方的にそう告げると通信は終わった。
「ユリカ!」
「OK。フレイアンAで軽くやっつけてやるわ!」
駆け出すユリカ。制服の裾が乱れ、チラチラと・・・
「こら!お行儀よくしなさい!それと、油断するんじゃないわよ!」
背後から声をかけるさやか。
戦闘服に着替えたユリカが小型機に飛び乗る。
「あん、ちょっとスカート短すぎるかな?」
裾を気にして直す。そのしぐさがかわいい。
「スカーレットティアラ、ゴー!」
大空に飛び立っていく。
マジンガーZが出撃していた研究所のプール(元汚水処理場)の上空に到着。
「フレイアンA、ゴー!」
水面を割り現れるピンクを基調としたカラーリングの美しい女性型ロボット。ユリカによく似たそのロボットこそが正義を守る鋼の天使・フレイアンAだ。
「スカーレット、イーン!」
水滴に濡れ、煌くフレイアンの頭部にスカーレットティアラが合体。フレイアンの瞳が輝き、東部のアンテナが伸びる。
「フレイアンA、ゴー!いくわよ!」
小首を傾げるようなコケティッシュなポーズを取り動き出すフレイアン。ネオミケーネとの戦いがいよいよ始まるのだ!
【続く】