私は昔から人が苦手である。
人が近くによれば表情のありとあらゆる筋肉が固まり、まるで骨に絡みついて離れないような歪な笑いかたになってしまう。
私をよく知るただ一人の友人以外は私を見てからくり人形みたいだと嘲笑う始末だ。

家にいる時はよく一人で話す。
ニュースキャスターのように足の筋肉をぷるぷる痙攣させながら空中イスで最近の出来事を愚痴っぽく話してみたり、テレビの真似をして食べ物を箸で震わせてみたり、私の行動を誰も制限しないという唯一の心休まる空間であり幸福のひとときなのだ。

そんな私にとって天国のような時間でさえたまに崩される時はある。

そう、ヤツの正体は宅急便。

三日前にルンルン気分で頼んでおいたゲームソフトでさえ、だらけた時間にはただの敵とかす。
全裸主義の私はそこら辺にあった布切れを体に巻き付けて玄関に向かう。
驚く配達員にイライラしながら布切れを巻き付けてサインを書く女。
はたから見れば滑稽な場面であろう