小説連載を開始したいと思います
この晴れ渡る空の下
私は今もあなたを思っています。
もう叶わない思いを胸に抱いて…
あなたはもう忘れたでしょうか。
-yua-
肌が痛いような寒さの2月中旬。
マフラーに顔を埋め、手袋をしていた。
町は、幸せいっぱいの、飾り付けをしながら、今日の日をいまかいまかと待っていたようだ。
そう、今日は年に一度のイベント
バレンタインデー。
私も、鞄にピンクの小さな袋を忍び込ませていた。
いつも通りの駅も、なんだか今日は違って見えた。
三両車目の、二番目のドア。
ここに乗ると決まっている。
今日も、その位置にたって、待っていると。
「もしかして、柚亜か?」と
声をかけられた。
色黒で、背が高い男子校生が
私を見ている。
「恵…………介?」
「やっぱり、柚亜か!」
そこに立っていたのは、幼馴染みの
赤坂恵介だった。
恵介。なんか、なぜか、悲しくて、切ない気持ちに襲われた。
が、そのあとの恵介の明るさが、そんなことを忘れさせてくれた。
「久しぶりだね!いつぶりかな?」
「そ、う、だな。まぁ、そんなことより今日はバレンタインだな!」
なぜ、話をそらしたのだろう。
この疑問を、今聞いていれば。
少しは、苦しみを和らげることは
できたのだろうか。
恵介は、電車でもらってー、
行き道ですもらってー、靴箱でもらってー、教室入るまでもだろー、んで机のなかだろー、休み時間だろー。
と独り言を言っている。
恵介は、モテる。
小学生のときも………
と思い出そうとすると胸が、苦しくて仕方なかった。
「柚亜は俺にくれないの?」
あげるわけないじゃん、と私は言った。
「柚亜……今日、あの日だな。
今年は…………来れるか?」
あの日。今年。頭のなかに恵介が言った言葉が響く。
私が不思議な顔をしていたのか、恵介は
私を見て、焦ったように言った。
「あ、そうか、柚亜はもう………」
今の、なしにしてくれ、と恵介が言った。
そんな、気になる言葉を残して、恵介は
笑って、私の頭を撫でた。
つづく。
お気づきの方もいるでしょうか。
私は瑠美として、この小説を書いていました!再度書いていこうと思います。