
「どこもかしこも、獣ばかりだ…貴様も、どうせそうなるのだろう?」
閑散とした小さな墓所に一人佇む異邦の元聖職者。獣を滅ぼす狩人だったが、自身が獣化したことには気付いておらず、狂った末に最愛の妻をその手に掛けてしまった哀れな男。小さな娘がヤーナムの街におり、両親の帰りを待ち望んでいる。
ガスコイン神父を取り巻く救いのないストーリーは、このゲームの退廃的で鬱々とした世界観を我々ユーザーに知らしめてくれる。地下にいる巨大な豚のバケモノを退治したあとに手に入ったアイテムを見て、筆者はただただ愕然とせざるを得なかった。
唯一、たった一つだけ救いがあるとすれば、それは一人の狩人(プレイヤー)という生き証人がいることだけだろう。
全てをストーリーで語るわけではなく、オブジェクトなどでストーリーを連想させる手法は素晴らしいの一言に尽きる。
彼は獣の病によって完全に理性を失っているが、娘から受け取ったオルゴールを戦闘中に鳴らすと頭を抱えて苦しむ姿が見られる。かろうじて残っている優しい父親としての人間性がオルゴールと共鳴しているのだろうか?
なお、別の人格の霊体(?)ではあるものの、序盤では一時的に彼を仲間にすることも可能。戦闘力は申し分なく、非常に頼もしい。しかしオルゴールを鳴らすと鼻で笑われる。
そしてこの神父、2体目のボスなのにメチャクチャ強い。
敵に回すとめちゃくちゃ厄介なタイプなのである。
そのあとに出てくるボスよりも強かった。筆者は十回ぐらい戦ってようやく勝利したが、それもギリギリの戦いだった。
狂っているはずなのに、熟練の獣狩りとして磨かれた技を的確に、かつ遺憾なく発揮してくるので、お前本当は理性あるんじゃねーのと疑いたくなる。1ボスを余裕で突破できたから2ボスも余裕だと何の策もなしに突っ込むと、間違いなくやられる。このゲームの最初の詰みポイントであることは疑いようもない事実である。
半分以上のHPを削り「よし勝てる…!」と思った瞬間、人間形態から獣形態へと姿を変えた時の絶望は尋常ではない。なんの前情報もなしだったので、筆者は本気で声を上げてビビった。
とはいえ、プレイヤー的には回復のタイミングや攻撃の的確な避け方等を学ぶチャンスだったりする。動きをよく見ているうちに銃パリィ(銃撃によって大きな隙を生み出す)のタイミングもわかってくるので、我々狩人に戦い方を教えてくれる好敵手でもある。
獣の病に犯された悲劇の神父。
彼を包む壮絶なドラマを体感し、その圧倒的な実力に立ち向かいたいのであれば、ぜひブラッドボーンを手に取ってほしい。狩人として生き続けるのであれば、彼が存在していたという事実を忘れてはならない。
カリスマ性:1
知性:1+
残虐性:5
戦闘力:5
イカレ具合:5+


































