🍀🍀✨東西ハーフストーリー🍀🍀✨

  《芝居の道をまっしぐら》

⭐️⭐️なにわ娘がパリのマドモワゼルになる💕の巻⭐️⭐️


こうしてバレーや発声のレッスンも続き

M先生の相変わらずの「東京発新大阪着」の恐怖の😱自転車🚲こぎや

ブラブラ体操と繰り返してだんだん難易度を増していくエチュード等の「身体的行動」も更に続ける💨💨


そしてA先生の言語的行動も

超有名なシャンソンの「枯れ葉🍂」を

バックミュージックに

これまたフランス🇫🇷では才能豊かで

素晴らしい詩を書いたが、突出した才能

故に悩み破滅的な人生を送った

ポールヴェルレーヌの有名な詩

「落葉」を日本の詩人、評論家、英文学者の『上田敏』が訳し

日本でも知らない人はいないというくらいの名訳「落葉(らくよう)」を朗読したりという授業もあった🍀

当時の私達の年代や、日々の生活では

見た事も聞いた事もないフランス🇫🇷の

パリジャンとバリジェンヌの悲恋💔

を抒情的に書き上げられた詩は

近づきつつあったドイツ🇩🇪との戦争の危機への憂鬱を暗に仄めかした傑作中の傑作である🍀🍀🍀


ヴェルレーヌの直訳では無い部分もあるが

それ以上彼の詩心を日本語で訳せた

上田敏は天才であり、ヴェラレーヌをこよなく愛し理解し尽くしていたとしか

言いようのない名訳である。


落葉らくえふ

秋の日の

ヴィオロンの

ためいきの
身にしみて
ひたぶるに
うらかなし。

鐘のおとに
胸ふたぎ
色かへて
涙ぐむ
過ぎし日の
おもひでや。

げにわれは
うらぶれて
こゝかしこ
さだめなく
とび散らふ
落葉おちばかな。


上田敏は題名を落葉(おちば)でなく

敢えて「らくえふ(らくよう)」とし

バイオリンをヴィオロン🎻と書いたのか

それこそ上田敏とヴェルレーヌの時を超え

国を超えた魂のぶつかり合いと

融合では無いだろうかと

なんと、今頃合点がいったのである💦

同じ小説や脚本を読んでも

劇や映画を見ても若い頃には気付かなかった

事を深く掘り下げて納得する事もあれば

若い時のエネルギーで感動の極みに辿り着く

事もある🍀

その年代年代によって研ぎ澄まされてゆく感性もあれば、無鉄砲な青春時代にしか感じ取れないフレッシュなパッションでのみ辿りつける事もあったに違いないと思う🍀


しかしこの名曲「枯葉」を流して貰うと

心地よくこの詩を読む事が出来た❣️


最高の音楽と詩(訳詩)にリードされて

たちまち今にも床の抜けそうな劇団が

深まる秋に枯葉🍂が舞いちるパリの街に変わり

その一隅で、恋に悩み時代に心を暗くする

青年の純粋で、物悲しい雰囲気が

自然に身体に沁みこんで

別世界にいるような気持ちになり

常日頃はガサツで賑やかで

とんでもない事ばかりやらかしては

懲りもせず大笑いで全て終わらせる私達が

皆それぞれパリの少し曇った空の下で

稚拙ながらも、朗読しているように雰囲気を醸し出せたのは

ひとえにA先生の的確な指導と

音楽と詩のベストマッチングの賜物であると

思ったのである。


だから芝居は表に立つ役者だけでは到底成り立たない💦💦💦

演出家や監督は勿論の事、音楽🎵や照明💡や

音響、大道具さんや小道具さん、衣装さんに

メークさんと、役者の何倍もの優秀な人達の

良い作品にしようという熱意と卓越したスキルが

団結して同じ心になった時に奇跡の時間が

通り過ぎて行くのだと

当時は漠然と今は懐かしくも感謝の気持ちで

襟を正さずにはいられなくなるのだ🍀


芝居は空間芸術で、今でこそビデオ取りをして

残す事も可能だが、舞台を見た時その役者さんや

照明や💡音響などのスタッフの呼吸があった素晴らしい一瞬は忘れない🍀⭐️🍀


そして自分自身も悩んで出来なかった事が

色々工夫をしたり、相手役の人の芝居が

上手すぎてそれに引き込まれると同時に

自分の思っていた芝居がポンとできたりする。

(これを業界用語では漸く初日が出た)というが

それまで半端なお芝居を見て下さったお客様には

甚だ失礼な話で、勿論一流の人は初日も

千秋楽日も、全く同じ芝居では無いのは

当然の事として毎日初日のような緊張感と

情熱❤️‍🔥の量は増える事はあっても減る事はなく

初日からもうベストな芝居で楽日(千秋楽)まで

駆け抜けて行かれる🍀

私もそれを目指して苦心惨憺しては

少し芝居を変えて見たり、先輩のアドバイスを受けたりしながらその役で24時間過ごしているように思えてくるから芝居その物が人生であり

役者である限り、何度も違う人の人生を生きられる

ことは至極の喜びである。


映画やテレビの仕事も後に演る事が多くなったが

私は毎日の共演者やお客様の受け止めて下さり方が

変わるので、それによって変化していく舞台が

一番好きだったし今も大好きなのである。

大きな舞台も魅力はあるが

アングラや小劇団の芝居のように

お客様が目と鼻の先にいらして下さり

まるで一緒に泣いたり笑ったりが手に取るように

また皮膚から感じることが無上の喜びである。


またまた、枯葉の朗読の話から

随分話がとんでしまったのだが

こんな感じで研究生として4月に入団してから

早7ヶ月あまり経った11月頃から

翌年3月に行われる研究所本科生の

卒業公演の準備をする時期になっていたのだ。

もうこれまた嵐🌀のような大騒ぎで

演出のM先生を巻き込んで大いに悩ませ

抱腹絶倒で、その癖心底大真面目な私達

20期生の青春真っ盛りの日々は続いて

行くのであるが、これらは次の巻から

始める事と相成りまする🍀🤗🍀


      紫  まいこ