気分良く生きていくため、「モード」を使用することがよくある。
例えば、自尊心が下落したときヒトカラに行って、完全なる歌手モードに浸ったりする(そんな上手くない)。そのモードを引きずって外に出ると、少し心が強くなった錯覚をすることができるのだ。一時的なものであれ、その錯覚中は気分を上昇させられる。
今日は、読書モードを探る旅に出た。
地元の田舎感満載の喫茶店をやめて、電車に揺られ都会に向かう。
「OSLO COFFEE」
照明は少し暗めで、人が少なく、テーブルとテーブルの間に仕切りがあり、店頭にはケーキが並んでいる。
おしゃれな雰囲気に直行した。
メニューからして、ファンタジーな物語が詰まってそうだ。
桃のパンケーキ
目的は満腹感を得ることではないので気にしない。
……だんだんとモードに入ってきた。
コーヒー〈キング〉
キングなんてファンタジーな名前を持ったコーヒーを飲んで、キングモードにならないわけがない。
コーヒー → 読書 → コーヒー → 読書を繰り返して、私はどんどんファンタジーな雰囲気に呑まれていった。
読んでいた本はファンタジーではないけれど、
苦味と活字が全身を回っている間、私は完全なる読書モードだった。
生きにくい世界で、様々なモードを、もっと飼い慣らせるようになりたい。
明日はどんなモードに着替えようか、とイメトレをしながら、今夜は読書に耽る。
愛の縫い目はここ〈最果タヒ〉



