⭐️キーワード:円安、 物価高騰 、食料、近未来予測

 

円安と物価高騰に伴う食料価格の近未来(2025年〜2026年)は、「値上げの常態化」と「高止まり」が続く厳しい局面が予測されています。

主要な予測ポイントは以下の通りです。

 

1. 2025年は「再加速」の年

  • 値上げ品目数の急増: 2025年の飲食料品値上げは2万609品目に達し、前年(約1.2万品目)から約6割増と大幅に増加する見通しです。
  • 上昇率: 2025年の消費者物価上昇率(生鮮食品を除く)は3.1%に達し、特にコメなどの食料品が全体を押し上げると予測されています。 

2. 2026年の展望:上昇は鈍化するが「高値」は維持 

  • インフレ率の落ち着き: 2026年度の消費者物価上昇率は1.7%〜1.9%程度に落ち着き、日銀の目標である2%を下回る可能性があります。
  • 価格は下がらない: 上昇の「ペース」は緩やかになりますが、原材料費や物流コストの高騰が続いているため、一度上がった価格が下がる(デフレに戻る)可能性は低く、「高い状態が当たり前」になる定着化が進みます。 

 

 

3. 家計への具体的な影響

  • エンゲル係数の上昇: 食料品価格の上昇により、家計支出に占める食費の割合(エンゲル係数)は28.6%と、44年ぶりの高水準に達しています。
  • カレーショック: 象徴的な事例として、2025年のカレー1食あたりの物価は349円(10年で4割増)となり、2026年も高値が続くと予測されています。 

 

4. リスク要因:円安の長期化

  • 為替の影響: 日本の食料自給率は低いため、円安が続けば輸入品(小麦、大豆、油脂、肉類など)のコスト増がダイレクトに食卓を直撃し、インフレがさらに長期化するリスクがあります。 


 

今後の生活防衛としては、これまでの「一時的な値上げ」という認識を改め、「物価が高い状態での新しい家計管理」へのシフトが求められます。

 

  • 2025年のカレー物価1食349円 10年で4割アップ 記録的「カレーショック」の1年に 2026年も値下げ期待薄、高値続く見通し2026/02/10 — 2025年のカレー物価1食349円 10年で4割アップ 記録的「カレーショック」の1年に 2026年も値下げ期待薄、高値...

 

  • 25年の物価上昇率3.1%、際立つ食品高 円安でインフレ長期化も2026/01/23 — 総務省が23日に発表した2025年の消費者物価上昇率は生鮮食品を除いて3.1%と、24年の2.5%から加速した。コメを中...
     
  • 2025年12月全国消費者物価 - 大和総研2026/01/23 — 先行きの物価上昇率について、コアCPIは2025年度で前年比+2.7%、2026年度で同+1.7%、新コアコアCPIにつ...

 

⭐️このまま進むと?

 

現在の円安と物価高騰のトレンドがこのまま継続・定着した場合、日本の食生活と家計構造は「低コスト志向への強制的なシフト」と「構造的な支出増」という2つの大きな変化に直面すると予測されます。 

2026年以降の近未来に起こり得る具体的なシナリオは以下の通りです。

 

1. 食の二極化と「安価品シフト」の定着 

物価高が一時的な現象ではなく「常態化」することで、消費行動が根本から変わります。

  • PB(プライベートブランド)の主流化: ナショナルブランドから、より安価なPB製品への切り替えが完全に定着します。
  • 代替食材の活用: 輸入肉の価格高騰により、鶏肉や豆腐、あるいは植物性タンパク質(大豆ミート等)などの安価なタンパク源への依存度が高まります。
  • 外食の「イベント化」: カジュアルな外食も値上げが続くため、外食は日常的なものではなく、特別な日の「ハレ消費」としての性格が強まります。 

 

2. 家計における「食費」の圧迫(エンゲル係数の高止まり)

所得の伸びが物価上昇に追いつかない状態が続くと、家計の柔軟性が失われます。 

  • エンゲル係数の上昇: 2025年以降も食料品価格が高い水準を維持するため、家計支出に占める食費の割合(エンゲル係数)は高止まりし、他の支出(レジャーや教育、貯蓄)を圧迫し続けます。
  • 生活防衛型の貯蓄傾向: 将来のさらなる物価高に備え、所得が増えても消費に回さず貯蓄に回す「節約志向」が社会全体で強まります。 

 

3. 輸入依存のリスク顕在化

円安が長期化(150円台などの定着)した場合、日本の食料供給体制そのものが揺らぎます。 

 

 

  • 輸入食材の「買い負け」: 世界的な人口増加に伴い食料需要が増加する中、円安が続くと日本が国際市場で食材を買い付ける力が弱まり、特定の輸入品が手に入りにくくなる、あるいは極端に高騰するリスクがあります。
  • 自給率向上の緊急性: 2025年度までにカロリーベースの食料自給率を45%に引き上げる目標がありますが、輸入肥料や飼料の価格高騰も続くため、国内生産コストも上昇し、国産品=安いという構図にはなりにくい状況が続きます。 

 

4. 2026年以降の物価見通し 

最新の予測では、上昇の「勢い」自体は2026年以降、2%弱程度に落ち着くとの見方が示されています。

 

 

※上昇率が下がっても「価格そのものが下がる」わけではない点に注意が必要です。2026年は、これまでに上がった高い価格水準をベースに、さらに1.7%〜1.9%程度上乗せされる計算となります。 


「ドル高主導」で150円台の円安は長期化か、26年夏に日銀 ...2026/01/11 — 「ドル高主導」で150円台の円安は長期化か、26年夏に日銀利上げも米景気回復でFRB利上げ期待

  • 2025年12月全国消費者物価 - 大和総研2026/01/23 — 先行きの物価上昇率について、コアCPIは2025年度で前年比+2.7%、2026年度で同+1.7%、新コアコアCPIにつ...


上昇が続くエンゲル係数 ~食料品価格の上昇が押し上げ要因に2026/02/06 — 関連テーマ * 物価 * 所得・消費


2028年の予測

 

2028年の食料価格と経済環境は、これまでの急激な上昇局面を脱し、「高値での安定」と「緩やかな上昇(インフレ)」が続く時期になると予測されています。 

主要な予測ポイントは以下の通りです。

 

1. 物価上昇のペースは安定化(2%前後) 

2028年にかけて、消費者物価上昇率は日銀が目標とする2%前後で推移するとの見方が強まっています。 

 

  • 上昇の鈍化: 2025年〜2026年のような「前年比3%超」といった記録的な急騰は落ち着き、物価変動はより予測可能な範囲に収まるとみられます。
  • 賃金との循環: 深刻な人手不足を背景に「賃金と物価が緩やかに上がり続ける」構造が定着し、物価高そのものよりも「実質賃金がプラスを維持できるか」が焦点となります。 
     

 

2. 国際的な食料需給と価格の動向

農林水産省などの長期予測によると、2028年時点の世界の食料需給は以下のようになると見込まれています。

  • 穀物価格の推移: トウモロコシや大豆の国際価格は、実質ベースで年0〜2%程度の緩やかな上昇が続くと予測されています。
  • 需要の拡大: アジアやアフリカでの人口増加と経済発展により、世界全体の食料需要は依然として増加傾向にあり、供給側(生産性の向上)との均衡が価格を左右します。 

 

 

3. 円安・為替の影響

2028年時点の為替予測には幅がありますが、極端な円安が是正されるシナリオも提示されています。 

  • 円高方向への回帰予測: 日本の貿易収支の改善や内外金利差の縮小により、2030年に向けて1ドル=100円〜120円程度へ緩やかに円高が進むとの中期予測も存在します。
  • 輸入コストの緩和: もし円高が進めば、輸入依存度の高い小麦や油脂などのコスト押し上げ圧力は緩和されますが、国内の物流費や人件費の上昇分があるため、「販売価格の大幅な下落」には繋がりにくいと考えられます。 

 

 

4. 2028年までの物価見通し(予測値)

主要機関のデータを基にした、2028年までのインフレ率予測は以下の通りです。

 

日本の消費者物価上昇率(予測含む) 

 

 

結論:2028年の生活環境

2028年は、2020年代前半のような「ショックによる物価高」ではなく、「マイルドなインフレ社会」への適応が完了している時期です。食料品価格は現在よりもさらに一段高い水準で安定し、消費者は「安さ」よりも「付加価値」や「コストパフォーマンス」をより厳格に選別するようになると予測されます。

 


2034年における世界の食料需給見通し - 農林水産省全世界の穀物の総需要量は、食用及び飼料用を含 めて基準年の27.8億トンから2034年に31.7億トンま で増加します。...
 

  • 2026年の日本経済見通し - 三井住友DSアセットマネジメント2025/12/22 — 物価については、教育無償化やガソリン税の旧暫定税率廃止の特殊要因もあり、消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は、一...
     
  • 日本経済見通し本年9月の日銀短観によると、2025年度 の設備投資計画(ソフトウェア含む、土地除く)は 前年度比+11%と、例年対比で...

 

 

⭐️失業者は?ホームレスは?

 

2028年にかけての失業者およびホームレスの予測は、物価高という逆風がある一方で、深刻な「人手不足」がセーフティネットとして機能し、数値が爆発的に悪化することは避けられるという見通しが強まっています。

 

1. 失業者の予測:低水準での安定

日本の失業率は2026年から2028年にかけて、2%台前半から半ばの極めて低い水準で推移すると予測されています。

  • 完全雇用状態の継続: 2028年には失業率が2.1%〜2.3%程度まで低下し、働きたい人がほぼ職に就ける「完全雇用」に近い状態が続くと見られています。
  • 物価高の影響: 製造業や建設業では原材料高による求人減も見られますが、サービス業を中心とした深刻な人手不足がそれを補う構造です。
  • セーフティネットの拡充: 2028年度からは、雇用保険の加入条件が「週10時間以上」へ緩和される予定で、パートやアルバイトの失業給付も手厚くなります。 
2.ホームレスの予測:減少傾向と「見えない困窮」

路上生活者(ホームレス)の数は、長期的には減少傾向にあります。 

  • 過去最少水準: 2025年度の調査で全国の路上生活者は2,591人と、ピーク時(2003年)から約8割減少しています。2028年にかけても、各自治体の支援策により路上生活者の数は低水準に抑えられる見込みです。
  • 「見えないホームレス」の増加リスク: 路上には出ないものの、物価高と家賃上昇により住居を失うリスクを抱える「ネットカフェ難民」や、不安定な住環境にいる低所得層は増加する懸念があります

3.注意すべきリスク:「貧困層の困窮」

失業率が低い一方で、「働いているが生活が苦しい(ワーキングプア)」層の困窮が深まるリスクが指摘されています。 

  • 格差の質的変化: 日本の格差問題の本質は、失業による「富裕層との格差」ではなく、物価高に賃金が追いつかない「貧困層のさらなる困窮」にあると分析されています。
  • 家計の限界: 2026年時点のアンケートでは、個人が予想する5年後の物価上昇平均は「9.8%」と非常に高く、生活実感としての苦しさは失業率の低さとは裏腹に強まる可能性があります。 
     
  • 2028年に向けては、仕事はあるものの「物価高で食費や家賃が払えない」という層をいかに支えるかが、社会的な大きな課題となります。

 


日本が取り組むべきは「現役期」の格差是正 - 大和総研2025/08/25 — 日本はこの指標において G7 の 中で 2 番目に格差が大きく、中間層と貧困層の所得格差がとりわけ大きいことがわかる。 ...

  • 【FP監修】【2024~2025年】雇用保険制度が改正!週10時間以上で ...2025/02/27 — 2028年からは、雇用保険の加入要件が適用拡大されます。 1週間の所定労働時間が「20時間以上」から「10時間以上」に変...


【2028年開始】改正雇用保険法とは?週10時間以上の勤務で雇用保険の ...2028年から施行される改正雇用保険法では、週10時間以上働く労働者が新たに雇用保険の対象となります。 多様な働き方が増...

 

⭐️2030年は?

 

2030年の日本は、円安・物価高の影響が「日常」として完全に定着し、社会構造が「人口減少に伴う人手不足」と「高物価・高賃金への強制移行」の最終局面を迎えると予測されています。

 

1. 物価と経済:100円ショップやデフレの終焉

2030年には、かつての「安さが美徳」とされたデフレ文化は過去のものになります。

  • 物価水準: 2024〜25年の急騰を経て、2030年までには「物価が毎年2%程度上がるのが当たり前」というインフレマインドが定着します。
  • 100円ショップの変質: 低価格を維持できなくなり、「300円〜500円」が標準価格帯になるなど、安価なサービス・商品のモデルが崩壊しています。
  • 実質賃金の焦点: 2030年頃には団塊ジュニア世代が60代に突入し、労働力不足がピークに達します。これにより企業は大幅な賃上げを余儀なくされますが、物価上昇を上回る賃上げができる「勝ち組企業」と、倒産する「負け組企業」の選別が完了します。

 

2. 食生活:輸入依存からの脱却と「選別」

輸入コストの高止まり(1ドル=130〜140円程度の定着予測など)により、食の風景が変わります。

  • タンパク質クライシス: 世界的な人口増や円安により、輸入牛肉などは「庶民の手が届きにくい贅沢品」になります。代わりに、国内産の鶏肉、植物性タンパク質、あるいは培養肉などの代替食品が一般化します。
  • スマート農業の普及: 人手不足を補うため、自動化された「植物工場」産の野菜が市場の多くを占め、価格の安定化を図ります。

 

3. 社会:失業率は低いが「格差」は深刻

仕事は余っているが、生活は楽にならない「人手不足下の格差」が深刻化します。

  • 失業率: 深刻な労働力不足により、失業率は2%を切る超低水準となる可能性があります。誰でも何かしらの仕事は見つかる状況です。
  • 新貧困層(デジタル格差): AIや自動化に適応できた層と、物価高に賃金が追いつかない低賃金労働層との間で、生活水準の格差がさらに拡大します。
  • ホームレス問題の変化: いわゆる「路上生活者」は支援策で減少しますが、家賃と光熱費の高騰により、シェアハウスや極小物件を渡り歩く「居住困窮者」が都市部で増加します。

 

2030年のキーワード: 「セルフディフェンス(自己防衛)」

2030年は、国や企業に頼るのではなく、個人がいかに資産を守り、スキルを磨いてインフレを乗りこなすかという「個人の防衛力」が生活レベルを決定づける時代になります。

ニッセイ基礎研究所:2030年までの経済予測や農林水産省:2030年の食料需給予測などのデータを総合すると、2030年は「高いなりに安定した社会」ではありますが、かつての「安くて便利な日本」とは決別している未来が濃厚です。

 

 

食料高騰対策にまずは、家庭菜園から始めてみては?