4月に入り彼はますます忙しくなった
異動に伴う諸々
四十九日までの法要
時間も気持ちの余裕もないことが
LINEからもうかがえた
このまま終わるんじゃないか
そんな不安に居てもたってもいられず
朝、昼、晩とLINEを送る
それに返事はある
でもお土産を渡したいと伝えても
いつ、と約束されることはなかった
ちょっとの時間も作れない?
以前はわざわざ遠回りしてくれたのに
気持ちが離れていく気がして怖かった
GW直前の休みに四十九日は無事終わった
それでも会えない
連休に遊びに行った写真を
何枚も何枚も送り付け
存在をアピールした
「楽しそうだね」
「どこ?」
そんな返事はあるけど
彼が何をしているのか?
全く分からない
後から知ったのは元上司と野球観戦に行ったり
毎年恒例の同期、先輩との飲み会
聞いても何の慰めにもならないけど
この頃の彼はやっぱり不安もあったし
残されたお母さんのことの心配もしていた
おふくろのケアが必要
休みの日はお母さんを連れ出し
二人で温泉に行ったり
お母さんの友だちも一緒に食事に行ったり
親戚のところに挨拶周り
今なら何も焦らない
待とうと思える
当時は自分のことしか考えられなかった
会えないことで
彼への想いはどんどん膨らむし
とにかく会いたかった
怖くて、不安で、寂しくて
感情の起伏が激しく
泣くことも
眠れない日もあった
彼との付き合いの期間で
この時が一番苦しかったと思う