12月は打ち合わせ以外にも何度か彼に会うことが
あった
連絡も頻繁になり
いつしか日常の出来事、写真なんかのやり取りも
するようになっていた
クリスマスも近い平日、お昼休み
「同僚の出る演劇が明日あるんだけど、一緒に行かない?」
すぐに返事ができなかったから一旦保留にしていたら
「職場の人と行くことになった」の連絡
「行きたかったな~」って返したら
「行けるの?じゃ職場の人断る」と
夜になり迎えに行く時間
観劇の前にお昼を食べるお店なんかを決めた
私は急ぎ着ていく服を数点引っ張り出し
迷って決めた
当日、早くから準備を始めソワソワしながら彼の到着を
待った
車が家の前に停まるのを窓から確認
「着いたよ~」のLINE
目的地は車で50分ほど
道中の会話はお見合いか?
「休みの日は何してるの?」
彼にも聞き返した
「趣味は?」「洗車」
彼の車はいつ見てもピカピカだ
中もピカピカだった!
お店は予約してあった
予約無しでは入れないこともある人気店だと後から知る
「飲んでいいよ」「いやいや、途中で寝てしまう」
食事はとても美味しかった
クリスマスを題材にした演目は、歌ありダンスありの
楽しいものだった
終わって出る前にアンケートを記入し渡す
彼の職場の女性がいて紹介された
何も悪いことしてないのに後ろめたい気がする
挨拶もそこそこに会場を後にした
終わった
あとは帰るだけ
あっという間だ
帰り道、熱気球の係留イベントが開催されていた
「行ってみよう!乗れるかもよ」
順番を待ち、いよいよ乗り込みバーナーの音とともに
浮かび上がる
遠くに陽が落ちるのが見えた
すぐ側に彼がいる
彼との想い出の場所
今もここに来ると
あの日の楽しかった時間を懐かしく思う