5・胃腸科
胃が痛い。
仕事がうまくいかない。
上司に怒られる。いつも・・・いつも。
毎日、ご飯はおかゆ。
なんで仕事がうまくいかないのだろう。
「まゆ、病院に行ってみたら?」
そう言ってくれたのは、
一緒に住んでいる、卓哉。
すなわち結婚相手。
「うん。そうだよね・・・ちょっと行ってみる・・・」
4・職場
婚姻届を提出して次の日。
職場では、変に苗字を気にして話しかけてくる。
片岡さん・・・えーと、宮本さんだったね。
宮本まゆになった。
指には結婚指輪。幸せそうに見えて、職場では人間関係が
悪い。
「宮本さん!いつまでこの資料、待たせるの!?」
課長が怒鳴る。
「す、すみません。。。すぐにやります・・・」
結婚しても職場の人間関係は変わらない。
胃が痛い・・・。
私は仕事ができない人だった。
何で思うように仕事ができないのかわからない。
通勤は電車になった。
旦那は名古屋へ、私は鈴鹿。
そうなれば、自然に住居は、中間の桑名になる。
毎日毎日、主婦業と仕事の両立で忙しかった。
仕事では怒鳴られるし・・・。
良いことなし。
胃の痛みも増して痛くなっていく。
続く
3・父親の浮気
9月9日。
私の誕生日。この日に私は婚姻届を提出しにいく。
めちゃ楽しみ。
朝は、6時に起きた。
ちょっと早く起きすぎたかな。
居間へ行くと、
母親が居間の真ん中で、しゃがんでいる。
なんだろう。
「かぁちゃんどうしたん?」
「うわっ!!!びっくりした・・・」
「それ、父ちゃんのカバンだよね」
母は父のカバンを勝手に見てた。
手に取っていたのは一枚のレシート。
「ランジェリー2500円・・・なんやろこれ」
なんて言わなくても、2人はわかっていた。
父親は浮気をしている。
母は小さくつぶやいた。
「いいかい。これは内緒だよ?」
ハッピーな婚姻記念日が、最悪の朝を迎えてしまったようだ。
2・まゆ
私の名前はまゆ。
婚約者はいる。
名前は卓也。
私が21歳になる誕生日に入籍する予定。
結婚式は挙げない。
お金ないから。
明日、明日が私の誕生日なんだ。
っということは、明日、入籍するわけで。
楽しみ楽しみ。
私は、結婚するのが楽しみではなかった。
家を出るのが楽しみだった。
続く
1.死ぬ瞬間
月の光が部屋に差し込める。
私は、
剃刀を右手首に当てる。
スーッと引いてみる。
血が出る。
この快感。やめられない。
もっともっと深く深く・・・
ぴゅっ
血が噴水のように上へ飛び上がった。
その瞬間に水道の蛇口を全開に開けたかのように
血が出る。
意識が遠くなる。
気がついたら足もとに携帯があった。
旦那に電話をかけた。
「・・・・・きて」
もう、息もできない。
地面は血の海。
その血の海へ頭から倒れた。
続く
