長い長い話だ。
原因があって結果がある。
妹を人質にとられていたから、あの女の言うことを聞くしかなかった。
お母さんと面差しがよく似ていたぼくは、女には目障りだったのだろう。
家事は全てぼくがやらされた。
畑仕事も、食事の支度も、掃除も洗濯も。
ご飯をつくっても、帰りの遅いお父さんの分をよけた後に、あの女の食べた残りしかもらえなくて、ぼくたちはいつもお腹が空いていた。
女は自分がつくったようにして、お父さんに食事を出した。
遊郭あがりで要領だけはすごくいいから、お父さんには家事一切、子どもの世話もきちんとやっているフリをしている。
悔しくてお父さんに全部ぶちまけたかったけど、妹に何をされるかわからないので何も言えなかった。
ぼくは隠れて泣くしかなかった。
これは生まれ変わる前の話、原因の話だ。