慢性腎臓病と悪液質
慢性腎不全患者では、慢性腎臓病に由来する因子と、透析療法に由来する因子による同化の低下と異化の亢進が悪液質の病因。
今まで、protein energy wastingが汎用されてきたが、定義や診断基準が曖昧だったので、最近は国際腎臓栄養代謝学会にて、悪液質はPEWの最も重篤な段階である尿毒症性消耗疾患という位置づけに至っていて、腎臓悪液質の状態とされている。
◯慢性腎不全患者における悪液質の集学的治療
・運動療法
レジスタンストレーニングは主要な治療戦略の一つ。
mTORシグナル伝達経路の活性化、テストステロン、成長ホルモン、インスリン様成長因子(IGF−1)などの同化ホルモン産生を増加させ、骨格筋やタンパク質代謝に影響を及ぼす。レジスタンストレーニングが、悪液質の主要な機序であるCRPと腫瘍壊死因子(TNF−α)を抑制させることが示されている。
抗炎症効果を目的としたレジスタンストレーニングの運動処方として、反復回数を増やす(8回以上)、週あたりの回数を増やす(3回/週以上)、運動継続期間を延長する(12周間以上)ことが重要と報告されている。
なお、運動療法による悪液質の病態改善効果については明らかになっていない。