もしあたしが
この高校へ入学してなかったら
今の交友関係は築けなかっただろう。
もしあたしが
夏穂先輩に勧誘されても
ソフトボール部に入ってなかったら
今、こんなに泣かないだろう。
なんでソフトボール
続けたんだろうって、
なんで辞めなかったんだろうって、
なんで部長なんかに
なったんだろうって、
マイナスな後悔。
それはいつからだろう、
1年の頃
話し合いをしたときから
だっけな
あの時、あたしも
くっだらねー理由くっつけて
ソフトボールやりたくない
って言ってれば
あたしはソフトボールが
好きだから続けますって言わなきゃ
今は違う道、歩んでたろうに。
あたしは怖い
葵が、井澤が、蓋盛が
ほかの部員が、先生達が
もちろん夏穂先輩も。
今となっちゃ何も言えない
立場の人間だが
部長はあたしだ、って
言いたかった。
いつも葵が中心だった
井澤だって葵が怖かった
蓋盛だって葵が怖かった筈
あたしなんて最初から
部長じゃなかった
部長という名のついた
ただのソフトボール部員。
ただ指示を出して
上っ面よくして
嫌われたくなくて
みんなの機嫌を伺ってた
1番みんなの機嫌を伺ってたのは、
このあたしだと思う。
井澤なんかじゃない
このあたし
きっと技術の面
みんなをまとめる面でも
部長は葵だった。
話そう、話そうって言って
何も言わない部長
話し合いして、ちゃんと言いたいこと
言おうって言った葵
もうこの時点で違う。
とにかく葵が怖かった
今でも怖い
でも葵が居なかったら
もっとダメだった
葵が居たから
井澤が居たから
ここまでやってこれた。
それはとても感謝する。
でももう無理
あたしはもう無理。
今のソフトボール部に必要ない
来週の試合も
8月で最後の試合も
あたしはきっといらない
去年の夏の
夏穂先輩と同じだ
たまに部活行って
文句行って帰って
最後だからピッチャーやる
って話出てたけど
そんな人の球
捕りたくないですって
全く同じじゃないか
自分がぜーんぶ悪いなんて
自分が1番わかってる
行かなきゃいけないのに
やる気が出ない
逃げちゃいけないのに
行く勇気がない
今まで積み重ねてきた3年間
どうなっちゃうんだろう
セカンドからピッチャーになって、
部長でピッチャー
ピッチャーでやってきて
最後の試合は外野ですか?
涙しか出ない
そうだよな、と
呆れた、と
悔しいな、と
それでもいいや、と
いろいろ混じってる。
あたしは
ピッチャーやりたい。
だから行かなきゃとか
やる気出さなきゃとは
まだ思えない。
ただ純粋にピッチャーやりたい
そこはあたしのとこ。
もう、無理だけどね
完全に消えてなくなった
あたしの3年間
無駄だったピッチング
ソフトボールを愛する気持ち
楽しくやってたあの頃
誰が何を言おうと
もう無理です。
その場ではいい面するかもしれない
でも、全部消えてなくなった
呆気ない
ごめんね
池山せんせ
みゆう、あおい、まいちゃん
ちなみちゃん、あやみちゃん
ひびき、はるちゃん、あかねちゃん
ちぃ、なっち
田畑先生、鈴木先生
葵、井澤、蓋盛、穴水、佐野
堀内、石坂、小林、のじこちゃん
馨ちゃん、夏穂先輩、ゆり先輩
田代先輩も秋山先輩も
ごめんなさい。
頑張るって決心したのに
やっぱり弱い
弱くてごめんなさい。
強くなりたい。
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