バタン!

車のドアが閉まる音で目が覚めた。

目的地に着いたらしい。


後部座席のドアを開けた父は、

どこか申し訳なさそうな顔で、

寝ていた私に降りるよう言った。


そこは群馬にある、母の実家だった。

嫌な予感がした。


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小学4年になったばかりの頃。


離婚して群馬の実家にいた母が、

神奈川に住んでいた父と私のもとを訪ねてきた。

おじいちゃんと喧嘩して逃げてきたらしい。


母はしばらくうちに滞在した。

しかし、母はメンタルが病むと「死にたい」と言う人だった。

父はいつも、そんな母に苛立って説教をする。

そしてまた母は出ていった。



その日の夜。父に呼ばれた。

車で出かけると言う。


後部座席で横になりながら、

高速道路のオレンジ色の明かりを眺めていた。



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小学校上がる前に、両親は別れた。

原因は父のギャンブル癖。

仕事も続かず、遊んでは家を空けてばかりの父に、母は限界だった。


そして私は母に連れられて、群馬の実家に入った。

在日韓国人だった父と駆け落ちするように家を出た母に、祖父の対応は厳しかった。


「お前は馬鹿だ!」

「そんなんだからお前はダメなんだ!」


そう母を罵倒する祖父を好きにはなれなかった。

そして祖父母は、反抗的な私の面倒は見切れないと、私を父のもとに送るように母に言った。


━━━


そうして追い出した孫の私と、

娘と別れたはずの父が、

突然、夜遅くに訪ねてきたのだ。

当然、歓迎される訳がない。



案の定、

迷惑そうに眉を顰める祖母と、

腕を組んで睨みつける祖父。


そして父は土下座して言った。


「MAYOを育てるのに経済的に苦しいです。

お金を貸してください。」



父は、母がいない隙に、

祖父母にお金を借りにきた。


私はダシに使われたのだ。


━━━


帰り道。

父から「お母さんには内緒だからね」と言われた。

しかし翌日、戻った母が私の様子を見て察し、すぐにバレた。


その数日後。

私は再び、母と群馬に向かっていた。


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お金のために父に利用された。

その傷は、男性不審の根っことなり、

大人になってからもずっと消えることはありませんでした。


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【次回】

悲劇の主人公爆誕!!

父への恨みが、恋愛、仕事、お金、全てに影響していた?!