病室の母のベッドの隣に
新しい方が
入りました
多分母と同じ
脳梗塞からの
半身麻痺
最近私は
母のマッサージに
音楽をかけている
彼女が
若く輝いていたであろう
頃に流行った曲
この間も音楽を
かけていたら
隣の方が
一緒に
歌い出した
それも
3番まで
間違えることなく
そして
私に聞いたんだ
「今の歌は誰が
歌っていたんでしょう?」
お気に召したようなので
その人の曲のメドレーを
かけてあげたら
全て間違いなく歌って
そして
言ったんだ
「体は動かなくても
口が動くから歌が歌える
私は若い頃に船木一夫さんのファンだったの
今は氷川きよしくんのファンなのよ
音楽をかけてくれてありがとう」
って笑顔でね
最初は大好きだった歌手の
名前も思い出せなかった
はずなのにね
最初は辛そうに
ベッドで
看護婦さん呼んでばかり
いたのにね
音楽には
そんな力が
あるらしい
アメリカのドキュメンタリー
か何かで見た
アルツハイマーの人たちに
自分が一番輝いて
いる頃の
音楽を聴かせると
忘れていたことを
語り出したり
車椅子から立ち上がって
歩き出したり
やっと歩いていた人が
踊り出したり
母はまだ
話せないけど
音楽に合わせて
口は動かすんだ
でもね
どれも
一番だけしか
知らないらしい
大好きな曲には
まだたどり着いてないらしいです
私たちも
疲れたり
落ち込んだりした時は
自分が一番元気だった頃の
曲を聴くといいかもね
普段は覚えていないようでも
口ずさみ始めると
歌える歌って
あるよね