数日前仕事が終わりビルの外に出ると雨だった。
肌寒く暗くてきっとあの子が事故にあった日もこんな感じだったんだろう。(本人のことは思い出せないのに事故があったという事実は忘れてない)
条件が近い今なら、あの場所に行けばあの子が立ってるのが見えるかも。手を引いて駅までつれていけば全部元に戻ってあの子が亡くなったことが無かったことになるかもと考え電車に乗ってしまいそうになり自分を止めた。
自転車に乗ってるとトラックが怖くてどきどきする。でも心の半分くらいはトラックに惹かれる。あの子と同じになりたい。トラックに吸い込まれそう。四十九日まではこの世にいるのならいましねばついていける。そしたらたくさん話をして謝って仲直りをしてもう離れたくない。
神社を見ると神様にお願いしたら時間を巻き戻してくれないかなと考えてしまう。もし代わりに自分の命を差し出せと言われたらマンションの家財道具整理して少ない知人に挨拶して退職願い出して…と具体的な進行プランをねってしまう。あの子は喧嘩してもうわたしのことは嫌いになったはずだからわたしがいなくなっても辛くないはず。今のわたしの気持ちを味わうことはきっとない。だったらじぶんがかわりになる。
街で少しでも似た後ろ姿を見ると違うところを一生懸命探す。あの子は174cmですごく細いけど筋肉がついてるのか姿勢も良くて歩く姿がとても綺麗だった。頭も顔も小さくてかっこよかった。この人ではない。みたいな感じで。
ああ少しだけ彼を思い出してきた。
よかった一時的な記憶のアクセスエラーだった。