こんにちは、2階のおばちゃんです。

 

おばちゃんの年になってくると更年期やから、真夏でもないのに

これでもかってくらい上半身集中で汗が出てくんねん。

こないだヘアサロン行ったんはええけど案の定、上半身だけほてって

汗だくやってん。

顔や首回りの髪の毛が汗で濡れてるからイケメンのお兄ちゃんに触られる前に

「更年期の”のぼせ”がすごくって~。急に来るんよね~、おほほ」

(意味:元はこんな汗かきのドロドロタイプじゃなくて脇汗パッドも要らんくらい

爽やかタイプなんです)ってそれとなくほのめかしたら

「”ホットフラッシュ”ですね」って横文字に訂正されたわ。

今の若い子、横文字よう知ってんね。

おかげで先にサッと髪を洗ってもらってスッキリしてから切ってもらえて

良かったわ。

 

さてと、始めましょっか。

YBAがお盛んやったころは、イギリスでほとんど話題にならへんかってんけど

って言うかおばちゃんの周りでは話題にならへんかっただけかもしれんけど

あの有名なアートの国際的な祭典ヴェネツィア ビエンナーレの「ヴェ」の字も

出てきたことなかってん。

ポストYBAへと移ろうとしてるころにようやくヴェネツィア ビエンナーレが

ちょくちょく話に出てきだして2000年代に入ってイギリス国内でも

大きく報道されだして現在に至ってんねん。

1997年のヴェネツィア ビエンナーレのブリティッシュパビリオンでは

レイチェル ホワイトリードさんが選ばれて出展しはったのに、どのタブロイド紙も取り上げてなかった気がするわ。その2年後の1999年のゲイリー ヒューム(Gary Hume)さんのペインティングも話題が今一つで、他の国のパビリオンに出展してる作品のほうを取り上げられてしまってたり。

別にイギリス国内がヴェネツィア ビエンナーレ自体を知らんかったわけじゃなく、100年以上前の1895年からセッセセッセと参加してんねんけどね。

 

ビエンナーレにイマイチノリの悪いイギリスで90年代終わりから

「バイエニアル」って言葉が飛び交うようになんねん。

「バイエニアル」はイタリア語の「ビエンナーレ」を英語にしたもんやわ。

アートコレクターのジェームス モーズ(James Moores ムーアズとは

発音せーへんで)さんを筆頭にリバプールでビジュアルアートの団体

「リバプール バイエニアル」(Liverpool Biennial)を1998年に設立して、

1999年に最初のコンテンポラリービジュアルアートフェスティバル

「リバプール バイエニアル」(団体名と一緒)を開催しはってん。

ほんで、このリバプール バイエニアルは2年に一度、テーマと言うかタイトルを

決めて開催され、外部からキュレーターを呼んでイギリス国内だけでなく

世界中のアーティストの作品を対象にリバプール市内の至るとこで展示されんねん。公共施設やギャラリーや使われてない建物とかでエキシビションを開催するだけと

ちごて、屋外の至るとこでアート作品がディスプレイされたり

教育や研究プログラムもあったりで結構大掛かりなバイエニアルとなってて

どこも無料やねん。

1999年の最初のフェスティバルは約1か月半の開催で24ヵ国

61人のアーティストが参加してまあまあ話題になってん。

今ではウォーカー アートギャラリー(Walker Art Gallery)のジョン モーズ 

ペインティング プライズ(John Moores Painting Prize)とか、

アートスクール在籍中または卒業生の作品を集めたエキシビションを開催する

支援団体のニュー コンテンポラリーズ(New Contemporaries)も加わって

ほんまに大規模なもんになってるし、期間も約3か月と長なったわ。

 

ジョン モーズ ペインティング プライズは2年に1度イギリスの優れた

ペインティング作品に贈られる賞で、1957年にこのペインティングの賞を

作らはった実業家で慈善家のジョン モーズ(John Moores)さんの名前にちなんで

付けられてん。

リバプール バイエニアルの期間中は、受賞作品と最終選考に残った作品を

ギャラリーで展示しはんねん。

 

因みに1999年が第1回目のバイエニアルやったんで、次は2001年になるはず

やってんけど、リバプールが2008年のECoC(European Capital of Culture 

略してイーコック)に指定されたから、それに合わせて2002年にずらしてん。

そやから2008年にバイエニアルとECoCのイベントを同時に開催できて

一石二鳥やったわけやわ。

 

イーコック(ECoC)とはEU文化の首都となる都市のことやねん。

EU同士の距離を縮めるため、EUの文化と歴史の豊かさと多様性を

アピールしてくれる文化都市を毎年決めて盛り上げようやということで

1985年に考案したもんらしいわ。

EU閣僚理事会(Council of Ministers of the European Union)が毎年、

イーコックになるEU加盟国の都市を決めはって、イーコックに指定された都市は、その1年間ヨーロッパ的な一連の文化イベントを開催することができるねん。

指定された都市にとっては国際的に知名度が上がるし、独自の文化を知ってもらえる機会になるし、社会的、経済的な利益を生み出す機会となるから結構、立候補する

都市が多いみたいやわ。

 

知ってる人多いかもしれんけど、2017年にイギリスの5つの都市が

2023年のイーコックに立候補してはってん。

そやけどイギリスがEU離脱を計画してんのがわかったから、

2017年11月に失格となって、その後2019年にはイーコックの資格を失わはってん。

ほんでとうとう、2020年にはEUから離脱すんねんけどね。

 

で、さっきの話に戻すわ。どれが「さっき」かはわからんけど。

イギリスだけやないけど、海外ではこういう大規模な催し物も含め

無料で開放してるとこ多いよね。

おばちゃんはイギリスしか知らんねんけど、芸術全般を楽しむのにお金かからへん

文化ってええなぁと思うわ。

 

今思い出してんけど、関西のとあるジャズフェスに行ってた時期があって

ライブハウスはもちろん、バーやカフェや何かの会館や駅前や野外ステージで

いろんなバンドやソロのアマチュアミュージシャンらが1組につき20~30分くらい

演奏しはって一日中いろんな音楽を楽しめてよかってんけど、やたらお金かかるから行かへんようになったことがあんねん。

一応、無料を謳ってはるフェスやねんけどね。

ライブハウスやバーやカフェやとドリンク注文が必須なんは理解できんねんけど、

出演するミュージシャンらにも各組ごとに「投げ銭ボックス(又は袋)」が演奏中に

回ってくんねん。ほんで、「チャリ~ン」と音がするお金じゃなくて

「パサッ」と音がするお金を演奏聴きに来た人らが入れてくわけやねん。

屋外やとええんちゃうって思うやろ?どっからか「投げ銭ボックス(又は袋)」を

持った若い女の子が現れてニコニコしながら「お願いしま~す」って

近寄って来るで。

大体、最初に投げ銭する人が「チャリ~ン」やったらその後も続いて

「チャリ~ン」で済むのに、「パサッ」やと500円玉持ってる手を密かに

引っ込めてカバンから財布出さなあかんやないの。

それにな、無料はどこ行ったん?って疑問に思うやろ?

 

話それたけど、このリバプール バイエニアルができたころは、ようやくイギリスはポストYBAから世界のコンテンポラリーアートに目が行くようになってきたのと、

手で作る楽しみがまた復活してきたような作品や具像的なペインティングが

再び戻ってきたような流れの変化が感じられるころやってん。

おばちゃんのブログ「Post-YBA」も読んでね。

 

リバプール バイエニアルで結構話題になったと言えば

2004年が印象的かもしれへんわ。

通称ボムドアウトチャーチ(Bombed-out church 正式名称St Luke's Church)から

制作のオファーを受けた作品で、Yoko Onoさんの「My Mummy Was Beautiful」(私のお母さんは美しかった)というタイトルの写真やわ。

彼女については説明いらんやろうけど、一応書いとくね。

アーティストで、ジョン レノンの奥さんで、彼の亡き後、未亡人となった人。

 

ボムドアウトチャーチは第2次世界大戦中の1941年、ドイツによる

リバプール大空襲でえらい被害を受けてズタボロになったことにちなんだ

名前やねん。屋根も吹っ飛んでしもたんやけどそのままの状態で管理されてて

ナショナルヘリテージ(National Heritage List for England国家遺産)に

指定されてるわ。

 

で、どうゆう作品かと言うと、女性の片方のオッパイやおまたの部分を

これでもかってくらいズームインした写真やねん。

それらの写真をポスター、のぼり、ステッカー、バッグ、バッジとかにして

リバプールの至るところでお目見えされてん。

 

Licensed under Liverpool Biennial, biennial.com / Photograph: David Lambert and Rod Tidnam

 

のぼりなんて団子三兄弟にしか見えへんわ。

こののぼりはリバプール市内のあちこちに掲げられててん。

リバプール ジョン レノン空港(Liverpool John Lennon Airport)にまで

特大サイズのオッパイのポスターが貼られててんて。

 

この作品はYoko Onoさんのお母さんへの尊敬を表した作品として

制作されてんけど、ジョン レノンさんのお母さんに捧げる作品に変更されてん。

ジョン レノンさんが17歳の時に車の事故で亡くならはったのは有名な話やね。

Yoko Onoさん曰く、「この作品はもともと自分のお母さんについて制作したもの

やねんけど、リバプールでこの作品を出そうと決めたとき、ジョンが彼のお母さんをどれほど愛してたかを思い出して胸が詰まってん。だからこの作品のリバプールでの展示はジョンへのプレゼントとするわ」

ってことで、ジョン レノンさんのお母さんに捧げる作品として展示されてん。

 

どうやろ?自分の母親を暗示するオッパイとおまたのイメージが生まれ故郷の

リバプールの至るとこで展示されてんの見て「ありがとう、Yoko」って

なるやろか?

ハッキリ言って、おばちゃんにとっては「ジョン レノンさんのお母さんに捧げる」なんてのはどうでもええわって感じやわ。

それよりも彼女の次の言葉の方が、この作品のコンセプトとして力強いものに

なってると思うで。

「リバプール バイエニアルの一環としてこの作品を出すアイデアを思いついて、

街中にこの美しいお母さんのオッパイとおまたが広がっているのを

思い浮かべたとき、めっちゃ美しいもんになるやろうと思ってん。

私らは皆、お母さんの体から生まれ、お母さんのオッパイによって

育まれたんやから。」

中にはポルノに近いって言うて非難する人もいることに対しては、

「なんか知らんけど、人ってその記憶を抑制しようとしはんねん。

女性は自分の体について恥ずかしいと感じる立場に置かれてるのって馬鹿げてるし

愕然とするわ。まるで人間が誕生すんのをいつも謝罪しなあかんような感じやん」

 

当時は「ジョン レノンさんのお母さんに捧げる」イメージが強くて

誤って解釈されてた部分があったんちゃうかなと思うから、言わへんかったら

よかったのに。。。っておばちゃんなんかは思ってしまうねん。

 

母親が一緒で父親が異なるジョン レノンさんの妹は、この作品は自分の

母親に対する敬意に欠けてるから、ボムドアウトチャーチにデカデカと

ディスプレイされてるやつと市内にある無数ののぼりやポスターを撤去するよう

バイエニアルの主催者側に要請しはってん。

テートリバプール(Tate Liverpool ギャラリー)にあるのは許容範囲やけど、

自分の母親と暗に結びつけられた作品がチャーチと市内の至るとこで

展示されてるのはほんまに不愉快やわって言ったはってんけど、結局バイエニアルが終わるまで展示されてたみたいやね。

 

因みにこの作品と同時に始まった「My Mummy Is Beautiful」(私のお母さんは

美しい)は、彼女の継続的なアートプロジェクトで、彼女のエキシビションを

見に来た人らがそれぞれのお母さんへの想いやメッセージや似顔絵なんかを描いて

用意されたボードに貼りつける参加型の作品やねん。

MY MOMMY IS BEAUTIFUL - a crowd-sourced artwork by Yoko Ono

 

ここでやね、なんでオノ ヨーコさんをYoko Onoさんって書くか不思議に思った

人もいるかもしれへんから書いとくとやね、おばちゃんの中では

「オノ ヨーコさん」にしてしまうと一気に近所感が出てしまうねん。

「そこの3班のオノさんのおばあちゃんやわ」ってなってしもて

アーティストのYoko Onoさんのイメージが無くなるねん。

Tomoko Takahashiさんも一緒でね、タカハシ トモコさんにしてしまうと

「5階のタカハシさんとこの娘さんやわ」になってしまうし、Yayoi Kusamaさんもクサマ ヤヨイさんやと「そこの田中さんの隣に住んではるおばあちゃんやわ」って感じでおばちゃんが知ってるアーティストのイメージが無くなんねん。

海外で活動してはる日本人アーティストはみんな、おばちゃんの中では

こういうイメージやねん。

 

去年2023年のリバプール バイエニアルも結構話題になったみたいやわ。

おばちゃんは行ってないから知らんけど。

テーマ(タイトル)は「uMoya: The Sacred Return of Lost Things」

(uMoya: 失われたものの聖なる帰還)で、リバプールという都市の歴史や気質や

風土を取り上げ、先祖や先住民の知識、知恵、癒しを呼び起こすことを

意味するらしいわ。

「uMoya」は南アフリカのズールー族の言葉(ズールー語)で、精神、呼吸、空気、

気候、風って意味らしいけど、なんか意味多すぎへんか?

このテーマを踏まえて作品を見てみてな。

TATE Gallery / Liverpool Biennial 2023 (youtube.com)

 

LIVERPOOL BIENNIAL 2023 (youtube.com)

こっちは音声無いんやけど、バイエニアルの雰囲気は掴みやすいんちゃうかな。

 

実は1999年第1回目のリバプール バイエニアルの次の年にテート トライエニアル(Tate Triennial)っていうのが開催されてね、ロンドンのテートブリテンで

3年に1度開催されるコンテンポラリーアートのアートフェスティバルがあってん。

イギリスのコンテンポラリーアートの新たな展開を紹介するトライエニアルやってんけど、第4回目となる2009年の開催を最後に終わってしもてん。

このころのアート市場の流れはイギリス国内じゃなくて世界のコンテンポラリー

アートに視線を向けてるころやったから、イギリスのコンテンポラリーアートに

絞るんは逆行してる感じがして不思議に思っててん。

案の定、短命で終わってしもたけど、2009年最後のトライエニアルは高評価で

大きな話題になったし、アートだけでなく芸術全般にとって重要な転換期と

なってんで。

その前の2006年はしょーもない言うてえらい悪評やってんけど、最後の2009年は

なんとかテートのメンツを潰されんと華々しく終わったって感じやわ。

 

 

そしたらここで、おばちゃんから悲しいお知らせがあります。

おばちゃんのブログ、ちょっと休むことにしたわ。

まあ、おばちゃんの年齢になるとね、家のことやら介護やら仕事で忙しいのは

当たり前やねんけど、仕事がね、本腰入れなあかんようになってきて

ブログを書いてる時間が無くなってきてん。

おばちゃんのアカウントは残すから、また落ち着いたら書こうと思てね。

フォローしてくれたみんな、ほんまにありがとうね。

おばちゃん、めっちゃ気楽にブログを始めて、まさかフォローされるなんて

考えてへんかったから嬉しかったわ。

同時に、えらいこっちゃと思って頑張って書いててんけどね。

頑張ったわりには2週間に1回の更新やってんけど。

これを頻繁と言うんかどうか知らんけど、これからは頻繁にブログを更新できへんと思うわ。

 

また忘れたころにヒョッコリ出てくるから、暇やったらまた読んでな。

 

これから暑なるから、熱中症に気いつけて、小まめな水分補給やで!

って、耳にタコができるくらい聞いてるからタコ焼きしよか~って

ボケてたらあかんで。

 

ほな、みんな元気でいてな。ほなね~。