こんにちは、2階のおばちゃんです。

 

イギリスのアートシーンって昔から時代の最先端を行ってて才能あふれる有名な

ーティストが多数存在して活躍してたんやろうなって思わへん?

だって、音楽やとビートルズやローリングストーンズ、レッド・ツェッペリン…って挙げるとキリがないやん。今の若い子でも誰でも知ってるもんな。

でも実はな、アートに関しては1980年代半ばくらいまではアメリカやドイツのほうが遥かに芸術活動が活発でイギリスは結構遅れている感じやってん。

ロンドン中心部 (SOHO)には結構ギャラリーが並んでるけどコンテンポラリーアートを扱っているギャラリーはほとんどなかってん。

ところがな、1988年に開催したコンテンポラリーアートのグループ展を皮切りに

すごい勢いでイギリスのアートムーブメントがやってくるねん。

 

イギリスにはアートスクールが結構あるんやけど、そのうちの1つゴールドスミス(Goldsmiths College of Art)の学生やったデミアン ハーストさんが

(Damien Hirst, ハーストさんと呼ばせてもらうわ)、旧友のカール フリードマンさん(元ジャーナリスト、今はギャラリー経営者でありキュレーター)や

ゴールドスミスで先生やったクレイグマーティンさん(Michael Craig-Martin)の

協力を得て仲間の学生らと1988年に開いたグループ展「FREEZE」が注目されて

各メディアに取り上げられてん。

ロンドン東部のドックランズにある廃墟の倉庫でやらはってんけど

そこって交通の便が悪いし寂れたとこやねん。

が集まるようなとことちゃうねん。(今は知らんけど)

 

「FREEZE」が脚光を浴びたのはハーストさんのマーケティング戦略が

よかったんやと思うわ。

その当時、ハーストさんは市場調査の会社やアンソニー ドファイ ギャラリー(Anthony d'Offay Gallery)でバイトしてはったから、その経験からアート界の重要なつながりとなる人物で抑えとかなあかんのは誰かって分かってたわけやしね。

メディアにはタクシーチケットつけて「FREEZE」の開催情報を送り

アートの収集家で広告王のサーチさん(Charles Saatchi)やロイヤルアカデミーの重鎮にアプローチするなんて、なかなか学生の身分では勇気がいるで。

それに可愛い生徒たちのためにクレイグマーティンさんは、結構名の知れた複数の

キュレーターを招待してはったらしい。

 

でもな、この「FREEZE」すごい話題にはなってんけど

実際に見に行った人って少なかったと思うわ。

おばちゃんも見に行ってへんねん。

ハーストさんのコメントで「誰もが見たと言いながら、ほとんど誰も見ていない

ようなグループ展だった」って言ってはってんけど

それがすべてを言い得てると思うわ。

 

その後1992年から、この「FREEZE」で一躍脚光を浴びた学生だったデミアン 

ハースト、フィオナ レイ(Fiona Rae)、マット コリショー(Matt Collishaw)、

サラ ルーカス(Sarah Lucas)など全部で16名を筆頭に才能のある若いイギリスの

アーティストを「YBA」(Young British Artist 複数形は「YBAs」やで)と呼ぶようになるねん。

1990年代は、YBAsの人気はすごかったわ。

イギリスが世界で最も影響力のある場所の1つになったと思う。

サーチさんが経営してるサーチ・ギャラリー(Saatchi Gallery)はYBAsの作品の宝庫と化してたし、次々にコンテンポラリーアートギャラリーがイギリスにでき始めて

毎日新しい情報が飛び交っていた時代やった。

1990年代のYBAsの作品の傾向って一言でいうのは難しいわ。

けどネオコンセプチュアルアートが多くてショッキングなものが多かった気がする。露骨で常識の限界を超えた奇抜なものが多いから軽蔑的な報道をされることも

多かったし、アートの制作として伝統的に使用してきた素材とかプロセスとは違い、たまたま見つけた物とか組み合わせてマルチ素材でアプローチしたり、本来のアートのカテゴリーとか取っ払ってとにかく何でも「自由」でええやんって感じかなぁ。

 

でも人って飽きてくんねんな。

1999年ごろには、次の時代のYBAは誰になるか、Post-YBAは誰か?って

結構みんな話題にしてたわ。

このころにはYBAムーブメントの人気はひとまず落ち着いて2000年に入ると

Post-YBAの時代に移っていくねん。

Post-YBAsで有名なのは、ティム ノーブルとスー ウェブスター(Tim Noble and 

Sue Webster)やキャリー ヤング(Carey Young)、マーティン マロニー(Martin Maloney)とかかなぁ。

YBAのムーブメントにあった破壊的なとか挑発的な感じは

なくなってきた気がするわ。

なんか政治や社会問題を示唆した感じがするネオコンセプチュアルアートが

増えたんちゃうかな。

 

YBAとPost-YBAって未だに根強い人気があるやん。

あの「FREEZE」で作品を出したアーティスト達は50~60代くらいに

なっているけど、今もアート界に影響を与えているし模範となっていると思う。

 

長なったわ…

ここでひとまずやめとくね。

次は、ネオコンセプチュアルアートについて書くから期待しててや~

いつになるかは知らんけど。

 

FREEZEの準備風景

画像保存元:dailyartdaily.com