「行きたくない」
8時15分、岡山駅についた私はそう思っていた。
なぜかって?学校の人達で行くというのが嫌だったからだ。
そんなことを思っても、もう出発地に足を着いたのだから帰れない。こうして私の4日間が始まった。
始まった旅は挑戦の連続だった。例えるなら人生。感情の起伏が大きい私は新幹線を降りるとさっきまで感じていた「行きたくない」という感情を忘れていた。レンガ造りの東京駅を出ると、6月とは思えない日光が私達を照らし、歩くごとに東京のビルたちが私達に陰を与えてくれる。そのビルを見上げる私はワクワクしていた。夢にまで見た東京の地面を踏んで、東京の人の一員になろうとしているのだ。もうそれだけで胸は高鳴った。
その夜、私は緊張していた。ご飯を食べる友達がいなかったらどうしようと。
ここで私は気分が沈んでいた。「もう無理。お腹痛い」そう考えていた。しかし旅は人生。
挑戦しなければ始まらない。自分から話しかけてみた。そうするとどうだろうか、みんな笑顔で話してくれる。自分が思っているよりも世界は広くて優しい。
この日わかったのは笑顔でいれば皆来てくれることだ。
二日目、私は東京の渋谷にいた。東京駅よりも興奮した。こんな暑いのにスーツをシワなく着て、虚ろな目をした多くのサラリーマンの中に、髪色をピンクに染めて色んな場所にピアスを開けた女性がいたり、バックにジャラジャラとキーホルダーを付け派手なメイクをしている男性がいたり、誰一人として周りの目を気にしていなかった。それに感動した。
誰もが今、人からの目線を気にしている。田舎だと尚更そうだ。
でも、東京に来ればあらゆる人間がいて、あらゆる場所がある。除け者にされている人が輝ける場所だって、東京にはある。その事実が嬉しかった。
私は決めた。上京してやる、と。
三日目はディズニーだった。全部楽しかった。友達と回るディズニーは。
何よりも印象的なのは、最後のパレードだ。今まで私は見たことがなかった。
すべての演技が終わったあと、私は他の誰よりも泣いていた。鳴咽しながら泣いていた。
開幕と同時に小さなスピーカーから、スピーカーのサイズと合わないくらいの爆音の音楽が流れ始めた。私の身体はそれに答えるかのように鳥肌を立てた。ステージに立つ彼らはその30分間、光と音、炎の熱、そして自然になびく風。ありとあらゆる感覚を使って私達に夢を見せてくれた。
夢を諦めなければ願いは叶うというメッセージが心に刺さった。
この30分間で私の心はとても激動した。人に夢を与えるということ、人に感動を与えるということ、それがどんなにも素晴らしいことなのか改めて感じられた。
このショーを見て、最後に出た言葉は「ありがとう」だった。
帰ってホテルに入る。寝るわけがなかった。三日目の夜が一番楽しかった。
今まで話したことがなかった人と大富豪をしたり、友達と馬鹿騒ぎしたり、今文章を書いていて思い出すだけでも、涙が出るほどの宝だ。と言っても疲れて就寝時間には寝ていた。
時が流れるのは早い。気づけばもう四日目であった。
上野動物園は生憎の雨と、時間の関係で50分ほどしかいられなかった。パンダはいなかった。
帰りの新幹線、私はたそがれていた。
行きの新幹線の自分に伝えてやりたい、「きっと大丈夫だ」と。実際大丈夫だったし。
藤井風のプレイリストを流して、写真の数々を見返していた。
笑っていた。全部笑っていた。
人生は何が起こるかわからない。この4日間だってこうなるとは思わなかった。
でもきっといつも笑える、そう思えた。それだけで気持ちが楽になった。
新幹線は次々と知らない町を過ぎていった。
藤井風のForever youngが流れる。太陽が眩しくてブラインドを下げる。
私の4日間が終わった。
Don't u be scared
We're together
Thirty-nine, sixty or whatever
As long as we're here
We're forever young (young)
藤井風 Forever young