…「ほら、おやつ」
「なんだ、また春巻じゃんか…」
「文句ゆーなよっ!オヤジが作り過ぎたんだって」
相葉くんが持ってくるおやつはいつもギョウザ、春巻、時々杏仁豆腐。
おうちが中華屋さんだから、相葉くんの母ちゃんが持たせてくれるらしい。
「二宮くんも一緒なの?」って、相葉くんの母ちゃんがちょっと余分に入れてくれるみたいだけど
おやつにしては多すぎない?ってぐらいはある。
一人3本てさ、学校で給食食べて来てるのに
晩ご飯までのつなぎにしては多過ぎだろっていつも思う。
ま、結局相葉くんにつられて食っちゃって、
腹一杯でうちで晩ご飯いらないって母ちゃんに言うんだけど。
うちの母ちゃんも、息子がご飯食べないのに全然気にしない。
「あーら、一食助かっちゃった。明日の母ちゃんの昼ご飯にするわ」って笑ってる。
今、俺らの秘密基地に来てるんだ。
だいぶ前に相葉くんがもらってきたダンボールで作った秘密基地。
近所の工場の事務のおばちゃんから五個。
なんでも、おばちゃんの肩もみしてあげたらしい。
相葉くんてそういうの、得意だよなあ。
俺はそんなに乗り気じゃなかった。
だって、外は暑いしうちでゲームやってた方がいいじゃん。
第一めんどくさいし。
でも、相葉くんが「もう決まったの!にのもやるの!」って。
ほんと強引なんだよな。あの人は。
で、結局やるとかやらないとか言わないまんま、秘密基地。
俺達の秘密基地。
相葉くんと俺の、二人の秘密基地。
これを作る時、相葉くんはいーっぱい、いろんな物を持ってきた。
「ヨットのキャビンみたいにしよーぜ!」って。
ヨット乗ったことあんのかよ?
たぶん、相葉くんの中の「ヨットのキャビン」は
相葉くんの父ちゃんから聞いたヨットの話と
大野くんが父ちゃんと釣りに行った時の漁船の話が交じってる。
俺らの秘密基地の中には、ビールケースで作ったテーブルとか
壊れた電灯(もちろん電気なんてない)だとか
宝の箱なんかがある。
「なんかふつうの家みたいだろ」
「ヨットのキャビンみたいだろ」
なんて自慢してたけどさ。
ほんとのキャビンがどんなかなんて俺、知らないし
俺、酔うから絶対船には乗らないし

すみっこには宝箱がおいてある。
最初はゲームとか入れときゃいいかな?って思ってたのに
二回目に来た時中を見たら、セミの脱け殻がいっぱい入ってた。
これだよ…

相葉くんていつもそう。
そして、その下には母ちゃんに見せられない点数のテストがしまってある。
俺はそんな点数取ったことないよって言ったら一発叩かれた

この基地作る時も「ここで宿題できるね。にの、俺が教えてあげるからね」って言ってたけど
勉強は翔くんに教えてもらうからって断った。
春巻食べてから、相葉くんはずっとセミの抜け殻を並べてた。
どうやらチームとかあるらしい。
番号までつけたらしい

隣で俺はゲームやってる。
別に会話なんてしない。
ただ、そこで時間が過ぎていく。
学校でも会うし、話もするし、
明日も明後日も学校で会うのに。
なんだかわかんないけどここに来る俺。
夕方になったら帰るだけなのに。
別になんにも面白いことなんてない。
たた、相葉くんがいるだけの秘密基地。

「相葉くん、俺そろそろ帰るわ」
「あ、俺もそろそろ帰ろう…」
「相葉くん、明日も来る~?」
「あ?え?たぶん…」
「来るよね?」
「うん。来るよっ!オヤジに春巻作り過ぎるように言っとく
」
」「いらねーよっ!いつもいつも…」
「そう言ってけっこー食ってんじゃんか~いつも( ̄▽ ̄)」
うん。
俺、明日も来る。
俺と相葉くんの秘密基地。
俺らの秘密基地。
この間、某雑誌のにのあいの秘密基地企画のページ見てたらなんだか小学生みたいで…
夏休みのにのあい。
勝手に妄想してました(・ω・)ノ
