今年に入って、これも更年期の前触れなのか、不安症に悩まされていました。

明確な不安原因というのが、あるのかないのかもはっきりしないのです。


たとえば年金不安の記事を読むと、その寸前まで年金のことなど頭の中を一度もよぎったこともないのに、突然取りつかれたように将来への不安感に襲われてしまう。


友人が通販のサプリメントでたいへんなアレルギーを起こしたと知れば、自分が今飲んでいるサプリメントが将来どんな害を引き起こすかわからない、とパニックになる。


大昔に言われた占い師の意地悪な予言を思い出し、恐怖でいっぱいになる、などなど。


自分でもあまりに突飛なので、これはちょっとビョーキだな、と頭の隅でちらりと思いつつも、その不安、パニックを抑えられません。


主人に話しても、そんな将来や過去のことなんか考えても何の力にもならない、それを強く振り切らないといけない、の一点張り…もちろん心を込めて懇々と諭してくれながらも、ですが。


マイナス思考、ネガティヴイメージに捉えられていると、それが現実になる、などと読むと、わかっているけど止められないという現状に、またまたパニック…。


そんな中、このGWの休みで息子がひさしぶりに帰ってきました。

せっかく帰ってきてくれたのに、私は青い顔をして、一日中心が大波小波に翻弄され、ぽろぽろ泣き出すかと思えばすっと落ち着いていたりという有様。

とうとう息子に心の内を全部打ち明けて大泣きしてしまいました。


彼が話を聞き終ったあと、しばらくふーむ、と考えているので、私は内心「いくら一人息子でも、やっぱりこんな若い子には答えようもない、かわいそうなことをしてしまった…」とまたまた涙。


ところが考え込んでいた彼が口を開いて最初に言ったのがこうでした。


「ママはいろんなことが次々不安になって、それに捉えられて押し倒されてしまうんだよね。

それはママが数学が苦手だからだと思う。」


へ??数学??


「数学の勉強の意味は論理的思考を身につけるということ。これとこれの条件が重なればこういう答え、結果が出ると考える、逆に、こういう答え、着地点に至りたい、そのためにはどういう条件をどういう順序で重ねていけばいいか、と考えるっていうことだよ。

そういう風に考えると、耳にした情報を自分の現時点の条件に照らして考えたら、これは自分には当てはまらない、だから自分にとっては可能性が低い、とその情報をとりあえず頭の中で考えからはずしたり、小さくしたりすることができる。


ところが芸術分野というのは直観とイメージ力の世界だから、まず心がありとあらゆるところ、どこにても瞬時に飛んでいく。

そして直観で飛んでいったところが、どんな小さなこと、論理的にはあり得ないことでも、今度はイメージ力によって、ものすごく大きく、しかもまざまざとリアルに膨らんでしまうんだよね。


数学には必ず答、普遍的な正解がある。1+1は世界中どこの誰が答えを出しても2に決まってる。

でも、芸術はそういう答がない。

ピアノの弾き方、解釈の仕方は十人十色だし、一冊の本を読んでも、その人の感受性の違いで、捉え方も全然違う。しかもそれが絶対正しいとか、絶対間違っているとは言い切れない。

一つの曲もこれで完成だと思っても、手を加えれば、また違う表現が現れて、そのほうがいいと感じることもある。

どんなことでも「ありえる」と言える、これが答という完結がない世界なんだよね。

つまり芸術分野って、着地点を見つけるのがものすごく難しいということ。


ママは数学が四則計算も怪しいという、黒柳徹子さん級の超苦手(おっしゃる通り★)の上に、生まれた時から芸術分野だけでずーっと生きてきたから、不安を論理的に処理することもできないし、蟻の頭でも生きた龍のように心にイメージできてしまうから、二重にドツボになるんだと思う。」


…………。


「推理作家の中に、本当の犯罪者はいないよ。

彼らは殺人事件や犯人の供述とか、そういう情報からイメージを膨らませて、現場状況や人物の心情をリアルに作り上げるわけ。

ママも不安に襲われたら、あ、今私は心の中で作家になっているんだ、心が飛んでるんだ、と思ったらラクになると思うよ。」


私は口をポカンと開けてあっけにとられてしまいました。

こんな風に考えたことが今までなかったから…数学的思考ができないことが、生きていくうえでいろいろ厄介なことだとは、この歳になるあたりからなんとなく気づいていたけれど、芸術分野の心の使い方のクセ?が、不安をあおる一因だなんて考えたことがありませんでした。

自分は教師としてこの分野を論理的に捉えて伝える能力はあると思っていたのだけれど、その論理的とはあくまで言葉、表現に関してというだけだったみたいです。


これですっかり不安症が治っちゃった、とはまだ言い切れないけれど、対処法はわかったわけで、少なくともマイナス思考やネガティヴイメージに苛まれる癖は治せそうです。


こんなことを書くのはおバカぶりをご披露という感じでちょっと恥ずかしい(数学というか、算数が全然ダメなんです~…あ、天文も同レベルで★)し、何より親バカご披露みたいでためらったのですが、言われたことが私にはかなりプラスになりそうなので、これもブログを心の備忘録として、ちょっと書き留めておこうと思いました。

どうか軽~く読み流しておいてください☆☆