２０２２年４月１７日８１歳になった母。７５歳頃から、母の頭の中に消しゴムが生まれ、少しずつ少しずつ、母の記憶を消していく。
例えるなら、床を自由に動き回り、掃除してくれるロボット。あれ、なんて言ったっけ(笑)
こっちが頼んでもいないのに、あちこち動き回って、母の記憶を消しまわっている。
ずっとデイサービスとショートステイを利用しながら、独り暮らしをしてくれていたけれど、２０２２年夏、予定外に３週間のショートステイを利用することになり、久しぶりに迎えに行くと母は激変した姿で戻ってきた。
母の認知の状態は、著しく低下しており、寝て起きると、もう、わたしのことを忘れるようになりました。
もっともっと、歳を重ね、もっともっと弱ってから、私のことを忘れると思っていけれど、そうじゃなかった。
学校では、『親は歳をとるんですよ。歳をとったら、こんなことが起こりますよ』など、一切教えてもらわなかったなと思いながら、初めて遭遇している、親が歳をとるということをありのまま、お伝えすることで、誰かの、何かのお役に立てればと、このブログを更新しています。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
そもそも、デイサービス終わりで、検査に出かけるというのが、間違っていたのかもしれません。しかし、そうするしかなかった。あっデイサービスではなく、ショートステイ終わりでした。
外は、すぐに暗くなりました。母の家から二駅のところに、PCR検査と抗体検査を無料でしてくれるところがあります。ここは、母がコロナに感染したときに、知った場所で、娘からの情報でした。１９時までに入らねばならず、道が混んでいて焦りました。滑り込み、ギリギリセーフで検査場へ。そして、検査をして、陰性証明をもらって、母のマンションに帰宅しました。
晩御飯は、何を食べたんだったかな？もう、忘れてしまいました💦
とにかく、ショートステイの帰りに検査に行って帰宅。８時ごろになっていたと思います。そこから、旅行の準備を始めました。それまでにしておけばいいのに、わかっていましたが、前日になるという。
今回の旅の目的は、墓参り。墓参りセットを用意し、母のデイサービスのリュックにひとまとめにして入れました。これは母に持ってもらおう。そう思ったのが間違いだったのです。私が、自分の服と母の服をスーツケースに詰めたり、いろいろしていて、母の様子をみていなかった。気が付いたときは、もう、遅く、母はリュックの中の物を出していました。出すだけならよかったのですが、その中身を分解して、あちこちに置いていました。（あ～～～～そうか～～～母のリュックに入れたから、母が触ってしまったんだ～～～やられた～～～）そう思って、周りを見渡し、回収。しかし、どうしても、お線香の箱だけが見当たりません。どこにやる？お線香だけ。
私は、一旦、自分の作業に戻り、そして、線香を探し始めました。母に、どこにやったんや？というつもりも、なかったのです。私が、母のリュックに入れたのが悪かったんですから。でも、私も疲れていたんでしょう。母が、私に、何探してる？と聞いてきたこと、この時もいつものエンドレス質問を受け続けていたんだと思います。
「お母さんが、ここに入れてた線香をどっかにやってん。それ探してるねんけど、線香だけがみつからへん」と言ったのです。
すると、「あんたがそんなところいれたからやろ」とか、「そんなんしらんわ」とか、急に怒り出して、「もう、知らんわ。もう、死ぬわ」と怒って泣き出して、布団をかぶって、うずくまりました。
ひえ～～～～
こわ～～～～
別に攻めたわけでもないのに、私は自分が悪かったなと思ってるのに、そんな怒らんでも、それも、明日旅行行くという日の前日に、そんなにキレるか？なに？これ。
母が、怒って泣いてうずくまったので、それまで、延々とエンドレス質問を繰り返していたこの家の中が一気に静まり、（静かになったな）と感じながら、準備を続けました。準備を続けながら、怖いなぁ。急に怒り出すなぁ。これ、前もあったよなぁ。５年ほど前、記憶をなくすのと正気なのとが混在している時こんな感じだったよなぁ。あの頃が一番ややこしかったんよな。と考えていました。
母は、そのまま眠ってしまったようでした。それより、線香線香と、探していると、プリンターの上に置いてありました。なんでやねん。
さて、私も寝ようかと思ったその時、え？あれ？全国旅行割を受けるには・・・旅行割のページをプリントアウトして持っていく必要があったのをすっかり忘れていたことを思い出したのではなく、たまたま、そのサイトを確認して、行きついたような状態で、その時の、私の心境。わかります？忘れていた～～というのじゃなく、やらなければならないという、項目にそもそも、いれていなかったことが恐ろしく、ひえ～～ひえ～～～よく、今、ここにたどり着いたことよ。検査まで受けに行って、そして、このプリントアウトを忘れていて、ホテルで「書類がそろっていませんね」などと言われ、割引されるところをされなかったら、どうするよ。ひえ～～ひえ～～と心がざわざわしました。
さっきの、母の怒りの時の、私の心のざわざわと、このプリントアウト未実行のざわざわ。どちらもいい勝負。
旅行前日は、こうして、ざわざわ２連発で終えたのでした。
この旅、大丈夫か？と思わせる出来事でした。
つづく
持ち手が壊れているスーツケースで出発しました。不便でした💦
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
母の様子がおかしいと気が付いたきっかけや、
2020年秋までの母との4つのエピソードを書いています。
小さな10ページの読み物です。
