2人でバイクを走らせ約5分程で次のお店に到着。
お店の場所は、とある公共施設の中にある2階のカフェ。
某新型ウイルスの感染対策がまだ徹底されている時期だったので、公共施設の出入口には結構大きめのしっかりとした検温機が設置されていて
わたしがその目の前で立ち止まったら、なんと…画面に39°C近い体温が表示され、警告ブザーと共に「体温を確認してください」という音声が流れ出し、かなり焦った。
更に、奥に居た係の人も心配そうに覗き込んでいたけど、完全に有り得ない体温なので、わたしは笑いが止まらなかった(笑)
彼も心配しつつ一緒に笑ってくれたので少し安心した。
思い返せば、5月中旬の暖かい日にフルフェイスのヘルメット、服装はジャケットの中にTシャツとプロテクター入りインナーを着用。
下も同じくプロテクター入りのジーンズといった感じのゴテゴテバイク仕様。
めちゃめちゃ暑かった…
そりゃ体温爆上がりするのも当然(笑)
そして係の人にも了承をいただけて、無事お店に入店できた。
彼の服装は涼しげな格好で、思っていた通りのお洒落さんだった。
そんなお洒落さんと、いざ食事に行こうと思うと
―ほんとにわたしなんかとでいいのかな?
―一緒に歩いてて恥ずかしくないかな?
なんて後ろ向きな考えが頭にわいてきて。
―でも、せっかく来てくれたんだから、つまらなくしてしまったら失礼だ!
―とりあえず会話を途切れさせないように!
わたしの頭の中は必死に頑張っていた(笑)
きっと緊張もあって体温が上昇したんだと思う(笑)
入店後、席を決めようとしたところ
彼が「初対面では斜めに座ると良いみたいです」と教えてくれて
斜め横に座ることになった。
警戒心の強いわたしは
―女性の扱いに慣れているな…やはりモテる人なんだろうな…
と、反射的に感じてしまった。
そしてわたしはすぐさまお手洗いに向かった。
なぜなら、食事をする=マスクを外す=本当の意味で初顔合わせになるから
―引かれてしまわぬように・・・
と、グデグデにヨレたお化粧を直しにレッツお手洗い★(笑)
ついでにジャケットとプロテクター入りのインナーも脱いで
軽装に変身した。
そしてついにお互いマスクを外して会話をする。
彼は嫌な顔ひとつせず笑顔で話してくれた。
そしてわたしのお気に入りのTシャツを見て
「パンダですか?」と聞いてくれた彼。
「これはパンダじゃなくて、パンダに化けたタヌキです!」とドヤ顔で言い放つわたし(笑)
変なテンションのわたしに戸惑いながらも、笑ってくれた彼の笑顔を見て安心した。
と、思いきや見てしまった彼の右手薬指の指輪・・・
思わず「既婚者ですか?!?!?!?!」と突っ込むわたし。
「これはファッションですよ」とサラリと答える彼。
初対面なのにツッコミどころ満載だったけど
なぜだか居心地は良かった気がする。
食事をしながらお互いの事を話して。
当初のわたしは、店長職に興味があったから
彼の普段のお仕事の話を聞けるのが凄く楽しみだった。
そして彼は、仕事の話を楽しそうに話してくれた。
その他に彼は一人暮らしで最近自炊にハマっているとか
昔はこんなバイクに乗っていたとか
他愛もない話で時間は過ぎて、お店を出た。
外に出てすぐ「お店の中、めっちゃ寒かったですよね?!?!?(笑)」と2人で盛り上がった。
店内は冷蔵庫並みに冷え切っていて、だけど店員さんに申し訳ないから中々口に出せずにいた。
だから余計に笑いが止まらなかった。
その後まだ時間があるから、お散歩しようという事になり近くの港に向かって歩いてお散歩。
港の駐車場に着くと、ハトがいっぱいいた。
その中の2羽のハトが口ばしを合わせて、まるでキスしてるみたいだなぁと思っていたら
彼が「ハトがキスしてた!」と何の躊躇もなく話すから、わたしは照れくさくて
「ほんとですか?見てなかったです」と、つい嘘をついてしまった。
その時、彼と私は見ている世界が同じような気がして嬉しかったのを
今でも思い出してニソニソしてしまう(笑)
歩いている途中、ベンチとテーブルがあったのでそこで一休み。
彼がスマホを取り出し、インスタの事を話してくれたり
わたしに彼を紹介してくれた友人の友人(彼を友人に紹介してくれたお姉さん)の事を
ざっくり教えてくれた。
そのお姉さんは、わたしの友人が前に働いていた会社の同僚で、今は彼と同じ会社で仕事をしている。
バイクという繋がりで、彼とわたしのご縁を繋いでくれた、今でもお世話になっている
とっても大事な存在。
お姉さんの事は友人から詳しく聞いていたのと、以前友人のお店に行った際にお姉さんの姿をなんとなく見かけたことがあるような気がしていたから
その事を彼に話したら、お姉さんはわたしの面識は一切なかったようだった(笑)
そんな話をしている中で、彼が急に「写真を撮りましょう」と言い出した。
突然の事だったのでビックリしたし、自分の容姿に自信のないわたしは写真に写るのが大の苦手だったけど
彼との写真はなぜか嫌な気がしなかった。
その後もお互いのバイクを交換して目の前で写真を撮ったりして、楽しい時間はあっという間に過ぎていった。
夕方になり、少し名残惜しいけれど解散。
今までの異性関係が大体夜までダラダラ過ごして・・・というのが多かったから
なんだか新鮮で健全で素敵だなって思った。
自宅に帰ってからは、
―他にもきっと紹介してもらっている女性が居そうだから(勝手に思ってた)
この一回ぽっきりなんだろうなぁ、だけど楽しかったからいいやぁ
なんて考えてて、彼の事は何だか気になる存在になっていたのでした。