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小学校6年生のころ父の祖母が入院した。

 

私たち家族はお見舞いに行くために花屋で兄弟1つずつ小さな花束を選んだ。

私はピンクの花だったことは覚えているが、

何の花だったかは覚えていない。

車で5分程度の場所だった。病院に着き、

もちろん花束を渡すのは弟二人から。

祖母は嬉しそうに受け取っていた。

私が祖母の前に出て花を出すと

 

「お前の花はいらん」

 

はっきり言われた。言葉が明確にわかる年齢の私。

 

私の中で何かがぷちっと弾けた。

覚えていないが私は病院をその瞬間出て走って家に一人帰った。

部屋で大泣きした。

 

家族は大慌てで帰ってきたが、私は部屋の鍵を閉め切った。

 

ベッドの上でずっと横を向いて泣いていた。

下では父と母が言い合いをしていた。

「あなたの家族は頭がおかしいし、あれがいいと思ってんの?

私たち家族ではないの?自分の親ばかりに従ってあなたも頭がおかしい。」

いろんな言葉が上の階まで響いていた。

 

私の我慢と母の怒りは頂点になったんだと思う。

 

「話をしよう。開けてくれないか」

 

両親はそういったが、私はトイレ以外その日部屋から出ることはなかった。

次の日の夜、父が二階の私の部屋の前にいて

「開けてくれないか」といった。

 

私は腫れあがった顔を上に向けて父を自分の部屋に通した。

 

「今までつらい思いをさせてすまなかった。

家族の立ち位置をを違えていた。」

 

父は私の目を見て言った。私は父に抱きついた。

私は下に降りると、母は何もなかったように振舞ってくれた。

 

「おにぎり作ったから、食べなさい。」

 

私はそれを食べて今まで私は通り過ごそうと思った。

 

それを機に、父の親戚の家にはいかなくなった。

 

父がこの一連や本家に行かなくなった気持ちはどう思っていたかはわからないが

私は解放された気持ちになったことは間違いない。