また出た五輪スキャンダル、今度は「ユダヤ人差別」コント・・
私は自宅にテレビを持っていない。自宅にこんな邪魔な家電を置かない生活を既に20数年しているが、ほとんど困ったことがない。
当然、バラエティ番組なんぞ縁が無いから、芸能人のこと、それも最近の人たちを殆どと言ってほど知らない。
そんな私でも、ラーメンズという名前に聞き覚えはあった。
確か美大を出た映画マニアのコンビだったよな、くらいの記憶ではあるのだが。
中国や香港に長く住んでいると日本お笑い文化に飢えるので、最新のネタ動向を知りたくなると、YouTubeやYouKuなどでチェックすることもあった。検索して出てくるのを見ていただけだから、目にした芸人やその持ちネタが、どんな時期にどれくらい流行ったのかとかは全く興味がなく、ネタの新旧に関わる時系列はめちゃくちゃではあるが、それなりに一時的な人気が出た程度の芸人の名前くらいは知ってはいた。
ラーメンズに関しては、本人たちには申し訳ないが、余り面白いネタをやってはいなかった、と思う。但し、自分のような映画オタクの本能をくすぐる、知る人ぞ知る、分かる人ぞ分かる、マニア向けコントをやってた個性派コンビであることだけは記憶していた。
今回、「元」ラーメンズの小林賢太郎氏、と発表されているので、いつの間にかコンビは解消していたのだろう。芸人を辞めて、こんな大きな仕事を受注してたなんて初めて知った。出世街道を邪魔されて、本人はさぞかし落胆していることだろう。
久々にこの名前を聞いたよ、と思ったら、なんとユダヤ人を怒らせたと言うじゃないか。
大して売れなかった(であろう)芸人なのに、随分と強そうな相手に喧嘩を売ったもんだ、と思いきや、これも小山田圭吾のケース同様、かなり過去に行った行為を蒸し返されたとのこと。ほぼ無名の表現者をバックデートして、槍玉に上げる意味がわからない・・
真っ先に浮かんだのは、「また来たか」という言葉である。
「また来た」ものは二つある。
まず、東京五輪を貶める為ならば、どんなディスクロージャーでもござれ、の空気を感じていた中でとどめの一撃が来た、という感じ。
もう一つ、同様のことが昔あったな、と思い出したのだ。
かつて「マルコポーロ」という結構売れていた国際ジャーナル系の雑誌があった。
ある時、ホロコーストの実際の有無を検証した記事を載せたところ、今回もコントを批判しているサイモンウィゼンタールから猛烈な批判を受けて、廃刊に追い込まれてしまったのだ。ある世代以上の方々には、日本国内で日本語のみで発行されているに過ぎない雑誌の特集記事までが、海外にある特定の民間組織の逆鱗に触れると潰されてしまうのか・・と驚いた記憶があるかとも思う。
マルコポーロ廃刊事件について触れ始めると、長くなるので今回は割愛して、ラーメンズのコントのことのみを取り上げる。
私は、問題になったこのコントとやらを見ていないので、小林君たちのネタにどれくらいの悪意が織り込まれているか、皆目知るよしもないのだが、きっと愚にもつかない程度の出来上がりだったのでは、と勝手に想像している。
「そこまでして、ほじくる?」という溜息しか出てこない。
一般には浸透もせず、ファンにすら忘れ去られたようなしょうもないコント作品を過去に遡ってなんとか見つけ出し、騒ぎの理由を作り出した意図とは、一体どういうものだろうか?
針小棒大のニュース扱いの背後とは?
私が分析するところでは、これは間違いなく、WHOが、今大会を「史上最低の五輪」に仕立て上げる為に執った攻撃の一環である。
史上最低の五輪を、無理を通して開催すれば、開催期間中に更なる醜聞が噴出してくることであろう。それくらい世界は今大会を歓迎していない、と印象づける為に。
そして、開催国は恥の上塗りを重ね、IOCとJOCはその影響力を今後著しく損ねる結果となる。
管理能力を問われた日本政府に追い討ちをかけるのは、きっと東京で感染拡大した「新種の変異株」であろう。
前々回のブログでも書いたが、強行開催で世界に日本発の第二波をばら撒くことになったら、我が国の権威やイメージは地に堕ちる。
こんなになるのであれば、早く止めておけばよかったのに・・と五輪閉幕の時に日本国民がそう感じていない事態を望んで止まない。
なぜに、東京五輪はここまで執拗に攻撃されるのだろうか?
巨大組織であるWHO内部に権力闘争があれば、日本国内も分裂している。
そもそも、WHOの8代目事務局長のテドロスは、中国の茶坊主として有名な人物だ。
2018/2019年度のWHOへの国別寄付金額順位によると、中国はまだ17位、金額そのものはトップのアメリカの約10分の1、とそこまでの存在感はない。
(中国の民間からの資金が迂回して他の国の名義で寄付されているかどうかは不明。更に2020/2021年度でどのように順位や寄付額が変化したのかは、現時点では不明)
国際医療の分野ではまだまだ新興勢力である中国としては、製薬や治療法を押さえ、既得権益の上に胡座をかいている欧米勢に拮抗すべく、自分たちの手下であるテドロスを使ってWHO内での発言力を拡大したい局面にあることは間違いない。
このテドロスと8代目の座を争ったのが、日本の尾身茂だという。
日本はかつて4代目事務総長として中島宏という人材を送り込んだことがあるので、果たして日本人にこうも早くお鉢が回ってくるのかは疑問だが、有り得ない話でもない気がする。
どちらかというと外交畑で名を上げたとされるテドロスよりも、ポリオ撲滅で実績を上げたとされる尾身茂の方が、保健機構のトップとしては、素人目にも相応しい。
中国は、テドロス体制擁立の為に、日本政府に尾身氏の事務局長選挙出馬を取り下げる説得を要請(命令?)を出し、当時の安倍首相はそれを実行した、という経緯があったようである。
当然、道を阻まれた尾身からすれば、東京五輪を契機に自分の足を引っ張った日本政府(安倍そして禅譲された菅政権)の無力さを世界に知らしめて、自分の正当性を再認識させたい、といった所ではないだろうか。
世界的感染のせいで、影響力を拡大するWHO、その内部の権力闘争のとばっちりで、すっかり泥を引っかけられることになるのがIOCである。
このIOCの構成メンバーは、欧州貴族に連なる人たちが占めているだろう、と想像している。
そもそもがクーベルタン男爵から始まっている組織のこと、実務部隊はともかく決定機関の構成員は欧州各国の王族やテクノクラートの子孫あることは間違いない。
ここでは、ロジックの階段をすっ飛ばしたような陰謀論には入らないでおくが、こうした欧州貴族にはアシュケナージユダヤ人の血を引くと自認する人々も多いはずである。
「開催国日本には、なんと『反ユダヤ主義』の文化が根づいている」という含みでこんなニュースが流れれば、東京五輪の強行開催に対し「(風評はともかく)開催することに意義がある」と理解や容認をしていたIOC委員やその背後の人々から、相当な怒りと反感を買うことにもなろう。
日本人全体のイメージについても、悪影響を及ぼすことは間違いない。デンベレによる人種差別発言の被害者だったのも束の間、あっという間に人種偏見の加害者扱いに転じてしまった訳だ。
五輪が大禍なく存続してこそ、IOCの存在価値が永遠に保障される。
それが、パンデミックで開催が危ぶまれるとなれば、開催国の当事者としての能力は問われる。
もし、そこで下手を打った場合、開催国政府は、五輪貴族から自分たちの存亡を危機に晒したな、と睨まれて針の筵となろう。
今の日本政府は、世界に冠たる国連機関と世界最大のイベントを仕切る組織の双方から梯子を外されつつあるのかもしれない。
寄る辺なき日本は、糸の切れた凧のように迷走している。
国民の総意を汲み取れず、纏めきれないリーダー不在のまま、ただ単に受け身で、明日の開会式を迎えることとなる。
本当に明日という日が無事に迎えられるのか?