水戸藩の刑事 / 不義密通の項



今日は水戸藩の刑事について、不義密通の罪に関して書いてみる。

最近、芸能人の不倫騒動がたびたび話題になる。

記憶に新しいベッキーの不倫騒動、少し前の元モーニング娘の矢口真理の不倫騒動など。

不貞行為を犯しても犯罪行為ではないため逮捕される事は無いし、牢屋に入れられる事も無い。

現代人はななんて平和だ、これが江戸時代だったらとんでもなくやばい事になる

江戸時代に不倫をするとどんな恐ろしい事が起こるのだろうか。

ひとつ、水戸藩であったエピソードが手元にあるのでひとつ紹介する。










今からさかのぼること貞享3年(1686)の9月。

水戸家のお使役の曽根甚六の妻おしゅんという夫人がいた。

おしゅんは素行の収まらない人で奉行所に曳かれた。相手はどうも一人だけではなさそうである。

召捕りになって水戸の南町にあった藩士の望月宮内左衛門の屋敷において取調べが始まったが、なかなか黙して喋らずどうしても罪状を自白しない。

そこで手と足を縄で縛り、庭先の榎木の古木に吊し上げて拷問にかけた。目からも口からも血が流れ実に凄惨であった。

この残忍極まりない拷問を多数の百姓町人が高い所から物珍しく群がり集まって、わいわい見物する。

いよいよ拷問に耐えかねて本人はもとより関係者もやっと自供した。

不義密通事件の当事者である、おしゅんは斬首になった。

斬られただけでは済まされず、斬った首を袴塚あたりの立原という小さな原っぱがあったがそこに獄門台を据えて獄門にかけた。

髪の毛が長くて獄門台から地面まで届いた。獄門台は四尺三寸の高さがあるのだから、この妻女の髪の毛は普通の女よりは長かった。

密通の相手、姦夫である同水戸藩の四宮平次郎も同じく斬首。

同じく姦夫である郡手代の栗伝太夫も斬罪、その上に両人ともさらし首。

姦夫のしゅんの亭主、曽根甚六は女房の不始末を知らなかったのが不行届至極とあって、斬首、欠所になった。

尻の軽い女房を持ったばかりに、とんだ災難である。

その他、連座・縁座の罪に問われて斬首が4人、改易欠所1人。



※欠所とは:死罪、遠島、追放などの付加刑で、武士、百姓、商人を通じて不動産と動産の没収をいう。重いのは家屋敷、田畑、家財一切を官没し、軽いのは田畑だけを没収した。







という事で、江戸時代に不倫をするどれだけヤバイかがお分かりいただけたと思う( ̄ー ̄U)

しかし、不倫された側も斬首というのはちょっとかわいそうだ。相手を選んだ自分も悪いという事なのか。

今日も芸能人の不倫問題がテレビで取りざたされているが、やはり一途に誠実貞淑、夫婦円満であるのが一番だ。

お色気ムンムンな人妻やイケメン既婚男性の甘い誘惑に負けそうになったときは、そうだ、江戸時代を思い出して、この当ブログいばらき解体新書のこのページを開いて克服しようじゃあないか。。。。。