「サンダーバード」でネット検索すると、JR特急列車やアメリカのスポーツカーなどがヒットしますが、今回お話ししたいのは、1965年にイギリスで製作されたテレビ番組のことです。
スーパーマリオネーションと呼ばれる人形を使った特撮で、未来(2065年)を舞台とした国際救助隊の活躍を描いた物語です。
日本でも1966年からNHKで放送されました。
どのような物語なのかと言うと、
元宇宙飛行士だったジェフ・トレーシーが、特許などで得た富を元に、私設の国際救助隊を編成し、救助要請を受信したら、世界中どんな場所でも(ときには宇宙空間までも)飛んでいくというものなんです。
そこで活躍する救助メカの名称がサンダーバード。1号から6号まであります。(ただし6号は、救助用に設計されたものではなく、たまたま救助に使われた複葉プロペラ機を6号と称した)
それぞれのメカのパイロットは、ジェフの息子たちが担当します。
どんなメカなのか、順にご紹介しましょう。
サンダーバード1号
救助要請を受けたら真っ先に発進する、司令塔のような存在。
速度に合わせて主翼の角度が変化します。
パイロットは、長男・スコット。
サンダーバード2号
胴体部分がコンテナ構造になっており、救助メカを現場まで運びます。
災害の状況に合わせてコンテナを交換できるようになっています。
パイロットは、三男・バージル。
サンダーバード3号
宇宙区間で救助活動を行うためのロケット。
後述の宇宙ステーション・サンダーバード5号への連絡用にも使われます。
パイロットは、5男(末っ子)・アラン。
サンダーバード4号
海中での救助活動に使用される潜水艇。
サンダーバード2号により現場近くまで搬送されますが、2号が故障したとき、アメリカ海軍が代わりに搬送したこともあります。
パイロットは、4男・ゴードン。
サンダーバード5号
救助要請を受信する宇宙ステーション。
オペレーターは、次男・ジョン。
ここで受信した情報は、サンダーバード基地(洋上の孤島)に送信され、
ジェフの判断で出動指令が発せられます。
その他の救助メカ
これらは、2号のコンテナで搬送され、
オペレーターは、ゴードン、アラン、バージルらが交代で担当しています。
余談ですが、サンダーバードのパイロット名は、アメリカ初の有人飛行計画であるマーキュリー計画に参加した宇宙飛行士に因んだものです。
なぜ、今回、サンダーバードを話題にしたのかと言いますと、
今から60年近く前に、国際救助隊という組織の必要性を発想し、その物語をつくり上げたという先見性に感心したからです。
さらには、その筋書きが、高度な救助メカを使うだけの単調なものではないことが挙げられます。
実は、頼りの救助メカが、いざというとき機能を発揮しなかったり、アクシデントに見舞われたりで、毎回すんなりと救助ができません。最後は、隊員たちの勇気と根性(ちょっと古臭い言い方かもしれませんが)で救助を成し遂げるのです。
つまり、人間を助ける主役は、あくまでも人間であり、機械は、そのサポート役であるという哲学が存在しているわけです。
2011年の東日本大震災の際、緊急消防援助隊として活動した私は、似たようなことを体験しました。
最新式の救助機材を持ち込んでも、想像を絶するような災害現場では、ほとんどが役に立たず、「助けたい」という意志と、日頃培ってきた救助技術だけが頼りになった場面が多かったのです。まさに人が人を助けるということを実感したのでした。
今日も世界のどこかで救助隊が活動しているのでしょう。
彼らの救助機材は、サンダーバードとは比べものにならないくらい非力かもしれませんが、
助けるという信念は、決して負けていないと思います。
無事に救助活動を達成できるよう祈りながら、今回の幕を閉じたいと思います。











