台湾戦争の勃発が危惧されて久しい。それに先駆け、米国による数十通りの戦況シミュレーションが公開されている。そのうちのいくつかのシナリオによると、中国は最終的に台湾奪取に失敗、中国の死者数1万人、台湾の死者数3300人とある。しかし日本の死者数に関しては一切公表されていない。それは一体どういうことなのであろうか。
そもそもなぜ米国が台湾に固執するのか。それは台湾を失えば、米国の軍事的優位が揺らぐからである。もし台湾、尖閣、沖縄のいずれかを奪われれば、米国は中国の弾道ミサイル発射を察知することが出来ず、また中国海軍に自由な太平洋展開を許してしまう。従って米国は何としてでも中国から台湾を死守せざるを得ない。そして台湾が中国軍の初動攻撃を凌ぎきった時、米中は全面戦争へ突入する。その場合、米軍の前線基地となるのは日本の在日米軍基地だ。よって中国は、日本の米軍基地に集中的にミサイル攻撃を仕掛けてくる。つまり台湾戦争によって、最も多くの死者を出すと予想されるのは我々日本なのである。しかしもしそのことが日本の一般国民に広く知れ渡ってしまったらどうなるだろうか。反戦デモ、ひいては反米デモに発展し兼ねず、それは米軍にとって極めて都合が悪い。従って米国及び日本政府は、この事実を隠匿しているのである。
正直に胸の内を吐露するならば、俺は台湾の早期陥落を願う。その場合、米中開戦は回避される。それは国際人として、そして台湾の親しき隣人としてあるまじき発言なのかも知れない。しかし俺は我が身が可愛い。同様に我が国が可愛い。俺は俺の家族に、そして日本の人たちに、血の一滴、涙の一粒たりとも流して欲しくはないのである。