FIFAランキングがどうも疑わしい。サッカーの各国代表の強さを的確に反映しているとは思えないのだ。
現在のFIFAランキングの1位は、昨年のカタールW杯の優勝国であるアルゼンチン代表だ。しかしそれまでの長い期間、ブラジル代表が1位を独走していた。けれどここ10年ほどのブラジル代表に、もはやかつての常勝軍団の面影はない。またアメリカ代表、日本代表がそれぞれ13位、20位に着けているが、カタールW杯における日本代表の善戦を加味しても、両国が世界のトップ20に数えられるとはどうしても考えにくいのである。
FIFAランキングでは、途上国よりも先進国や富裕国の方が上位に入りやすい傾向がある。例えば日本が苦戦もしくは惨敗するようなアフリカの強豪国が、ランキング上位に現れることは非常に稀だ。あくまで憶測だが、経済的に安定している国の方がそうではない国に比べて、親善試合や国際大会を開催しやすいのだろう。そしてそのような国際試合の戦績がなければ、実力があっても評価点の与えようがないのではないだろうか。
つまりブラジル代表がFIFAランキングの最強格に君臨し続けるのは、今のブラジルが欧州のほとんどの国よりも金を持っている証拠なのではないか。もはやブラジルが世界を相手に戦うのに、サッカーボールは必要ないのかも知れない。