まきしま流きのこと春菊の季節外れ鍋 | まきしま日記~イルカは空想家~

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ちゃんと自分にお疲れさま。

以前触れた通り、最近俺は極度の偏食と食細りに悩まされたいた。しかし先日、久しぶりにまともに食事をすることが出来た。それもかなりガッツリとだ。

鍋が食いたい。鍋が食いたい。鍋が食いたい。この1、2ヶ月、俺はずっとそんなことばかり考えていた。ちなみに俺は鍋に関してはエキスパートだ。今までただの一度も、俺の作った鍋を友人に不味いと言わせたことがない。はっきし言って、店に出して金が取れるレベルだと自負している。

しかしながら困ったことが。俺の作る鍋とはキムチ鍋、味噌キムチ鍋、塩ちゃんこ鍋、醤油ちゃんこ鍋、味噌ちゃんこ鍋。いずれも豚肉、鶏肉、魚介てんこ盛りのカロリー爆弾鍋ばかりなのだ。今の俺のコンディションでそんなものを食すれば一体どうなるか、それは火を見るより明らかだった。

ならば肉の量を減らせば良いのかと言うと、決してそんな単純なものではない。肉は鍋において具材のエースのみならず、ダシとコクにおいてもエース。肉から染み出る濃厚な旨みがなくなることで、鍋はまるで京都の料亭の湯豆腐のように一気に深みがなくなってしまうのだ。

そこで俺は、肉や魚介に代わる鍋の主役を野菜の中から探さなくてはならなかった。一つは分かっている、きのこ類だ。しかしそれだけでは今一つバリエーションに欠ける。そこで俺が手に取ったのは、春菊であった。こうして俺は、自身初となる野菜ベース鍋を作り始めた。

  【まきしま流きのこと春菊の季節外れ鍋】
  白菜 ネギ しめじ 椎茸 エリンギ 舞茸
  春菊 豚バラ 昆布だし粉末スティック 醤油

鍋が完成。汁を一口すする。なんという優しい味、なんという奥深い野菜のコクと旨み、まさに五臓六腑に染み渡る。ともすればどこまでも自由に広がって拡散してしてしまいそうな野菜各々の味わいを、粉末だしの塩気と醤油の風味がきっちり引き締めている。

そしてその中にあって、きのこの甘味と春菊の香りの強烈な自己主張。それは豚肉の存在までもが野暮に思えるほどであり、まるで「今日の鍋の主役は俺だ」といわんばかりだ。二口、三口と止まらぬ箸、瞬く間に完食。久しぶりに食ったあ、食った食った。

皆さんも暑い夏にこそ、熱い野菜鍋で食欲不振を吹き飛ばしてみてはいかがだろうか。