すき家のうな丼を食べたいが気が乗らない。
毎年夏季限定メニューとして置かれるすき家のうな丼。今年もそろそろ販売終了の時期がやってきた。その前に滑り込みで食べておきたい。しかし想像するだけでどうにもこうにも胃がもたれるのだ。
もっとも学生時代は超が付く大食漢として、周囲の友人をドン引かせてきた俺。腐っても鯛、今でもうな丼一杯くらいで音を上げはしない。
しかしすき家に行くと、うな丼の他についつい定番メニューである牛丼とカレーもテイクアウトしたくなってしまうのだ。うな丼、牛丼、カレー、超絶カロリー3コンボ。20代の頃ならペロリと平らげていたであろうが、さすがに30も半ばを越えた今の老躯には厳しすぎる。
そもそも、うな丼を夏季限定とすること自体が根本的に間違っている。
あまり知られていないことだが、うなぎの本当の旬は夏ではなく冬である。冬のうなぎは脂が乗りきっていて、身も柔らかく実に旨いと聞く。
ならば夏の「土用の丑の日」とは一体何なのか。それは幕末の学者・平賀源内が、夏になるとサッパリ売れないうなぎ屋に授けた宣伝方法であり、それが爆発的にヒットして伝統的に今日に至ったものだ。
つまりうなぎを夏季限定メニューとする。それは供給側の仕掛けだけに乗っかって本来の旬を完全スルーするという、何とも本末転倒な愚行なのである。
分かったかね、すき家諸君。分かったら今すぐ期間限定を取っ払い、うな丼を常設メニューにすることだ。